2005年9月3日(土)
総領事館で在外投票を終えた人たちの「疑問」と「不満」。「なぜ鉛筆のみの使用が義務づけられているのか」。総領事館側の説明は、記入した人が間違えた場合、すぐ消しゴムで消すことができるように、だ。不満は「日本の選挙管理委員会で開票の際、こっそり改ざん(文字を改める)できるではないか」。疑問、不満を述べた人はけっこう多かった。「日本では、どうだったかナ」と思い出そうとしている人も。
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鹿児島県出身のある女性は、衆議員選挙に投票しようと考えている。投票用紙がまだ、手元に届いていない。心配になって選挙管理委員会に問い合わせたところ、市町村合併の影響で発送が遅れた。配達されるのは五日以後になる見込みで、公館投票は無理。セデックスで送るとなると百レアル以上かかるので、訪日する知人に速達で送ってもらうように頼むつもり。過去四回の在外選挙は欠かさず投票したというこの女性、清き一票が無事に届いてほしいが。
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バイオリニストの五嶋(ごとう)みどりさんのサンパウロ公演初日(一日)は、すばらしかった模様。二日付エスタード紙にはインタビュー記事も出ていた。鑑賞に行った家内は「もうビックリ。あの透き通った音は信じられない」と感動しきり。公演後、ホール外のバーがある空間に現われ、二十分間ほどバッハを独奏したという。パンフレットによると、五嶋さんが使用するバイオリンは十八世紀前半に作られたもの、ちょうどバッハが活躍した時代だ。
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毎年一月にアメリカのユタ州で開催されている世界最大のインディーズ映画祭、サンダンス映画祭でフジモリ元大統領のドキュメンタリー「The fall of Fujimori」が上映されたようだ。エレン・ペリー監督はそこで、「シェイクスピア劇を思わせる物語です。私はそこに惹かれました。9・11テロ後、彼の物語が世界にとっても大切だと気付いたのです」と語ったそう。アメリカ人が撮ったというところがおもしろい。