2005年9月2日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】サンパウロ市サン・ミゲル・パウリスタ区の中心街で麻薬密売組織が勢力を拡大し、無法地帯を形成して市民を恐怖に陥れている。無法地帯と化したのはジョゼ・オトニ通りの一角で、軍警支部の七百メートルの地点だが、取締りも意に介せず両隣の区域に広まる勢いを見せている。
もともとは小規模な麻薬密売場だったが、三代目のボスに君臨した三兄弟が映画「ゴッドファーザー」の如き暗躍を展開して一大組織とした。これに群がって悪徳商人も出現、付近には違法ホテルが立ち並び、麻薬の吸引場所を提供したり、売春宿となった。ホテルの前には売春婦が並んでいる。また街頭商人は賭博行為をし、駐車場は違法乗合バスの溜り場となった。
日中でも盗みや強盗は日常茶飯事で、付近の商店は毎日軍警の出動をあおいでいるが解決に至らないという。組織は区内の要所に見張りを立て、警官や不審者を通報させている。今年初めサンパウロ市都心部の不法地帯が州と市当局により壊滅したが、関係者はこれに代わる不法地帯の誕生だと指摘している。