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汚職の主犯はジルセウ下議=郵便局CPI=最終報告発表へ=大統領は無罪、下議18人が連座=倫理的でなく政治的に処理

2005年9月01日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】郵便局CPI(議会調査委員会)は三十日、ジルセウ下議が政局混乱を惹起した汚職の主犯とする最終報告書を発表する意向を明らかにした。連立与党を巻き込んだ汚職システムは、各公団の重要部署へ配下の人材を送り込み、不正資金を政党へ上納させていた。上程者のセラグリオ下議(ブラジル民主運動党=PMDB)は一日に最終報告書を提出する。結論として、責任追及はルーラ大統領にまで達しないものの、影の最高権力者に及び、さらに下議十八人が連座すると同下議が述べた。
 郵便局CPI最終報告書のポイントは、政治資金の集金システムだ。不正関与者の議員権はく奪には触れていないが、下地づくりになる内容である。大統領は命拾いをしたものの、誰かが責任を取ることになると上程者は示唆した。しかしCPIの結論は、政治的判断であって倫理的判断には全く触れず、逃げ道を残したともいえそうだ。
 懸賞金が首にかかっているのは他に、妻がヴァレーリオ氏から裏金五万レアルを受け取ったクーニャ前下院議長だ。下院が広報費として七〇〇万レアルの業務契約を結んだことへの見返りとみられている。
 郵便局CPIと裏金CPI、ビンゴCPIは、裏金を受領した二十人近い下議について最終報告の共同編纂を行った。最終結論は、三CPI委員長の見解を取り入れた。三委員長の思惑は大きくずれ、それに下院議長が横車を押し、大荒れの編纂会議となった。
 波乱含みの最終結論は、裏金CPI委員長のランド上議(PMDB)による落下傘降下で収拾した。同上議は、全員が納得する結論が理想だが、先送りの保留は許されないとした。結論は、政治的見解を根幹とすることで全員合意した。
 上院は、喧嘩両成敗の最終責任ウヤムヤが通らないとカリェイロ上院議長が叱責した。そこで三CPI共有の秘密データバンクの設置案が受理された。CPI審理迅速化のため集めた証拠書類をさらに分析することを優先とした。
 裏金CPIの上程者アビ・アケル下議(進歩党=PP)は、裏金享受は一括や分割、本人、代理人受取りに関わらず立証済みであると言明した。政治力のない政党の議員個人に裏金の享受を許したのは、PTの初歩的失策という。
 CPIの最終報告が提出された後の不正関与者の議員権はく奪手続きには十段階ある。はく奪申請は、政党または議会執行部から倫理委員会に対して行う。
 十段階は次の通りだ。一、倫理委員会に、はく奪を申請。二、同委員会は下院議長の手続き承諾を得る。承諾後に辞任受理はない。三、下院議長ははく奪上程者を指名、被疑者へ審議を通告。四、被疑者に五回、抗弁のチャンスを与える。五、弁護人と上程代理人が証言を行う。六、上程者は意見書を提出。七、意見書の審議と受理の表決。八、委員会がはく奪と判断したら、被疑者は法制委員会へ控訴ができる。法制委員会は訂正をするが無効にはしない。九、委員会は、はく奪決議を執行委員会に提出。表決を二回行う。十、はく奪が可決されると八年間の政治活動を禁止。控訴は許されない。