2005年8月30日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】今年七月までの過去十二カ月間の財政支出は緊縮財政の結果、過去十年間で最も減少した。中銀の統計によると公共機関(国、州、市および公社)の七月までの一年間の支出削減による節約額は九七〇億レアルに達した。これはGDP(国民総生産)の五・一六%に相当し、一九九四年以来最高となった。
これによりプライマリー黒字(債務償還分を除く)は、政府が今年の目標として設定している対GDP比四・二五%に対し、七月までの一年間は目標よりも上回っているものの、年末に国庫支出が集中することから楽観視できない不透明な要素となっている。
ただ昨年の例だと、七月までの一年間に同黒字が四・四八%だったのに対し、年末の集計では四・五%に上昇した経緯があることから、この現象を今年も期待する向きもある。その第一人者がパロッシ財務相で、日頃から五%と強気の主張をしており、これでさらに意を強くしている。同相は同黒字を五%とすることで政局混乱をはねのけ、ブラジル経済の底力を内外に示すことが海外投資家の信頼を得る近道だとみている。
プライマリー黒字の対GDP比四・二五%は八三八億五〇〇〇万レアルに相当するが、今年七カ月間の累計は六八七億四〇〇〇万レアルに達しており、目標達成には残り五カ月間で月平均三〇億レアルの黒字計上で済むことになる。
経済が回復した昨年も七カ月間の黒字計上は、中銀が集計を始めた九一年以来、最高を記録した。七月度の公共収支の黒字は八八億レアルと、単月ではこれまた九一年以来の最高水準となった。しかし利息支払いが一二一億レアルとなったため、名目赤字が三十三億レアルに達した。
この八八億レアルの黒字は、昨年同月の六六億レアルに比し、三二%の増加となった。政府が一九億六〇〇〇万レアルと作年同月の一一億七〇〇〇万レアルを超えて黒字に大きく貢献した。州は昨年よりも七〇〇万レアル減少したものの、三億二七〇〇万レアルに、また市はこれまた一二〇〇万レアル減少したにもかかわらず、八〇〇万レアルの黒字を計上した。