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「不思議な縁感じる」=西林聖総領事=歓迎会であいさつ

2005年8月30日(火)

 「ボストン総領事からサンパウロ総領事に決まったのは不思議な縁を感じる」
 西林万寿夫サンパウロ総領事はほおを紅潮させた。
 日系三十三団体が共催し文協貴賓室で開かれた歓迎祝賀会。やや緊張した面持ちで登場、約二百三十人を前に着任あいさつした。
 その中で、前任地ボストン時代を振り返った総領事は、「日露戦争の講和条約が結ばれたポーツマスであった百周年記念行事に総領事として出席した」。アメリカが条約締結の場所に選ばれたのは、「日米関係が良好だった証しだが、その後悪化し、アメリカの移民改正法が一九〇七年に施行されたのがきっかけとなって、日本政府の目がブラジルに向いた」とし、冒頭の言葉を続けて述べた。
 さらに、ボストン総領事館の規模は、「サンパウロの半分以下で日系人も少なく、ビジネス関係の仕事も限られていた」が、サンパウロでは「日伯経済交流に活性化の兆しが見え、責任は重い」と語り、経済交流促進を移民百周年とともに課題の一つに挙げた。
 また、着任した二十二日が五十三回目の誕生日だったと明かすと、会場から大きな拍手が起きた。
 これに先立ち、所用で遅れた文協の上原幸啓会長に代わって歓迎の辞を述べた関根隆憲福会長は「バイオリン演奏は玄人はだしだと聞いている。早くご演奏を聴くことが出来れば」とする一方、懸案の百周年事業についても「指導をお願いしたい」と要請した。