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コラム 樹海

 ヨン様人気でおばさんらが大騒ぎらしい。「冬のソナタ」という純愛映画に主演したのがきっかけでフアンが激増し韓国にまで押しかける熱烈派もいる。こんな韓国贔屓は歌手にも及び韓流ブームが起こって韓国の映画が大人気だそうだ。これも―金大中政権が実施した日本映画と音楽の解禁政策などの成果と見ていいのだろうが、こういう庶民文化を通じての交流は真に楽しい▼戦前にも「アリラン(峠)」という韓国民謡がよく唄われたし戦後になっても―あの哀愁を帯びたメロディーが若い人々の心を惹きつけ歌声喫茶には学生らが3人5人とたむろしたのも懐かしい。韓国の白菜の漬物「キムチ」や大根の「カクテキ」も、すっかり日本人の舌に馴染み韓国料理店での酒盛りも珍しくはなくなった。牛肉を薄く切って甘辛く味付けした焼肉(ブルコギ)が好きな日本人も多いし、蕎麦粉に片栗粉をつなぎにしたとかの冷麺(レ―ミョン)派も一杯いる▼あの超辛国民の韓国に唐辛子を輸出したのは日本だとの俗説があるけれども、どうやら韓国の方が先に食べたもののようである。そこから辛い辛いキムチや混ぜご飯の「ビビンバ」にも真っ赤に近い韓国味噌の「コチュジャン」をたっぷり入れて口に運ぶのが食作法だとも―。どぶろく(濁酒)は「マッカリ」と呼び、麦麹で造るのが本物らしく若い同僚は「実に味が深い」と―感極まった表情でいる▼国と国では,従軍慰安婦がどうのとかの難しい話ばっかりだけれども、マッカリを注いだ青磁の茶碗を傾け語り合えばうまく話も纏まるのだろうに―。   (遯)

 05/08/30