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日本語学習者=多様化に対応=日文連が国際シンポジウム=アニメやエイサー取り入れの必要=「〃先輩〃ドイツ語」も参考に

2005年8月25日(木)

 ブラジルにおける「外国語としての日本語教育」および学習者の多様化への対応を考える―。日伯文化連盟(槙尾照夫理事長)は、十月二日、「多様な背景を持つ学習者―その対応を考える」と題したブラジル日本語教育国際シンポジウムを開催する。同様のシンポジウムは過去三回行っており、今回は十年ぶりの開催となる。共催団体は、独立行政法人国際交流基金サンパウロ日本文化センター。同団体東京本部の日本語教育助成事業である「海外日本語教育ネットワーク助成」というプログラムに助成を受けることになる。
 「今までは机に座ってカリカリ勉強していたらよかったけど、もっと会話したい、アニメを見たいという学習者が増えている」と三浦多佳史日本語教育派遣専門家が言うように、最近は学習動機の多様化が著しい。「日系人だから日本語を学ぶ」という概念も薄れてきて、非日系人学習者も増加している。
 これらに対しての対応の遅れの結果として、教育機関選択の幅の狭さ、継続学習の場の不足、勉強方法など必要な情報不足が浮き彫りになってきている。そこで各日本語教育機関独自の取り組み事例、諸外国の経験などをもとに対応方法を考えよう、と同シンポジウムが企画された。
 内容はリリアン・アルベス・ベロッファ全伯ドイツ語教師会会長、ゴエス・カウフマン・サンパウロ大学現代言語学科客員教授ら四氏による基調講演。ドイツ語教育は、ブラジルにおける移民言語の先をいく存在であり、日本語が辿った道を既に経験していると考えられる。また、アメリカからは井川チャールス・カリフォルニア州日本語学園協会会長がアメリカ日系社会における日本語教育について話をする。スーザン・シュミッド全米日本語教師連合会代表は、全米の日本語教師ネットワーク構築に成功した人物。どのように役に立っているかを発表する。
 さらに事例報告として七氏が各団体の活動を発表。日本語学校改革例を成功させた向井エリーザ綾子インダイアツーバ日本語学校教師、インターネットを使用した多様化教育について橋本リカ日伯文化連盟教師などが報告する。
 アルゼンチンのロサリオ日本語学校は課外活動で沖縄エイサーに取り組んでいる。フェルナンダ・ラーモス教師が日本語上達の早さで有名な同校の対策を発表する。最後には全報告者と、参加者との質疑応答の時間を設ける。
 「今までは理想論ばかりだったが、このような実践をベースにしたシンポジウムは初めて。先生方にとってもためになるのでは」と話すのは栗原章子教務主任。篠又幸市郎副理事長も「実際に苦労した事例など聞けるのでいいと思います。日本語だけではなく、他言語の先生方にも参考になる。学校経営者の方にも是非参加して頂きたい」と呼びかけている。
▽参加費…六十レアル(九月十五日までに申し込みの場合)。十六日以降は八十レアルとなる。▽参加申し込み方法…alianca@aliancacultural.org.brに詳しく掲載。問い合わせ電話は11・3209・6630まで。▽開催日時、十月二日(日)午前八時から午後六時まで。▽開催場所Hotel Maksoud Plazaの地下会場(Al.campinas150-Bela Vista)