2005年8月24日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】財務相の収賄否定声明で安堵の胸をなでおろした金融市場は二十二日、反騰したが、ビンゴCPI(議会調査委員会)へのブラッチ召喚待ちで成り行きを注視している。CPIは財務相が毎月五万レアルを受領したとする告発に、ブラッチが証拠を提示することを期待している。ドル通貨は二十二日、二・六五%反落し二・三八五レアルに付けた。レアル通貨一日の上げ幅では、〇三年一月以来最高であった。他国通貨との比較では、二十二日のレアル通貨の上げ幅が世界一であった。
パロッシ声明で金融市場は、落ち着きを取り戻した。しかし、上院のビンゴCPIは財務相の元側近ブラッチから、GTECHと連邦カイシャ・エコノミカの間に六億五千万レアルに上る下請け契約の更新でPTに対し、贈賄があったとする告発の説明を受けるため同容疑者の召喚を二十四日と決めた。
財務相がリベイロン・プレットの市長であった九三―九四年、GTECHは契約更新の見返りとして千六百万レアルの賄賂をPTへ供与することを約束したと、ブラッチが市警察で供述した。多国籍企業がブラジルの公益宝くじのシステム管理を受注するため、パロッシ氏に斡旋仲介を依頼したという。
しかし、財務相は記者会見で、このような事実を否定した。ブラッチの供述では、財務相は斡旋仲介は行わなかったが契約は〇三年四月八日、更新された。ビンゴCPI委員長のモラエス上議(PFL自由前線党)は、契約更新は賄賂供与の条件下に成立と判断した。しかし、CPIは契約更新に賄賂供与の事実が立件されてから、財務相の告訴を検討するとした。
ブラッチの供述では、パロッシ市長二期目の〇一―〇二年、当時のリベイロン・プレット出納長のバルケッテ氏との間で賄賂の受領が扱われたという。バルケッテ氏は〇四年六月、死亡している。
CPIが保管する調書によれば、バルケッテ氏は契約更新の前日、ブラッチに七回電話を入れた。さらに更新の当日、二回電話をした。ブラッチは契約更新の翌日、GTECHへ更新確認の電話を入れた。CPIはブラッチが、契約更新の仲介役で二百万レアルの手数料受領があったとみている。GTECHには傍系の会社があり、両方から賄賂を受け取り裏帳簿で経理処理をしたようだ。
財務相告発で動揺した金融市場は二十二日、財務相が倒れても経済政策は堅持としたパロッシ声明で事態は収拾されたようだ。しかし、一時小康と関係者はみている。金利の先物市場も、やや回復した。だが公共債務の決済については何も手が打たれていないため、ブラジル経済は決して安泰とはいえない。
金融市場は、後を絶たない告発攻勢に一喜一憂している。二十四日のブラッチCPI召喚が、新たな山となりそうだ。また二十一日のパロッシ声明は、ブラッチのレオン・グループとのごみ埋め立て工事契約には触れていない。ここから新たな波紋を呼びそうだ。