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コラム 樹海

 JICA(国際協力機構)派遣の日系社会シニアボランティアや青年ボランティアたちに、記事を書くうえでコメント(見解、説明)を求めたり、原稿を依頼したりすると、JICA当事者の許可がないとできないといい、即座には応じてくれない。そういうふうに決められており、指示があるようだ。ことを急ぐ際はたいへん不自由である▼いうまでもなく、JICA側としては、ボランティアたちに仕事をしている現場のこと、感じていることなどを勝手に新聞社という外部にしゃべられては困るというのだ。派遣事業の意義の根本にかかわることがらもあり、批判めいた発言をされては支障があるのだと思われる▼つまり、この許可を得て後の発言なり原稿は、「検閲」を経ている。この件に関心のある人たちの意見はさまざまだ。「ボランティアたちは、そういう制度で来ているのだから当然、従わなければ」「言いたいことをそのまま言わせなければ、実態は見えて来ない」「自分の思いどおりにならないのはいやだ、という人は、初めからこうした事業には応募、参加しないのではないか。受け入れてやって来たのだから、致し方ない」▼ただ、内輪、つまりJICA側とボランティア側とでは、意志の疎通があり、派遣と仕事の内容について、事後の反省会のようなことは行われているのだろう。それでなくては、事業の発展はない。ともあれ、差し障りの多い世の中はおもしろくない。できればシンプレスに行きたいものだ。(神)

05/08/24