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財務相が進退伺い提出=収賄疑惑=大統領、留任を命令=経済政策に変更なしと強調=最後の牙城へ攻撃始まる

2005年8月23日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】ごみマフィアと関与した疑惑が浮上し、記者会見に臨んだパロッシ財務相は二十一日、リベート享受を否定、ルーラ大統領に進退伺いを提出したことを明らかにした。同時に同相は、経済政策に代案のないことを大統領に強調し、内閣改造があっても経済政策の変更はあってはならないとした。記者会見は、同相がリベイロン・プレット市長だった時代の右腕ブラッチがサンパウロ州検察局で、同相が毎月五万レアルのリベートを享受したと供述したことへの説明とされる。
 財務相はリベート享受告発で進退伺いを提出し、ルーラ大統領から放念を促されたという。大統領は同相に留任を命じ、経済政策への全力投球を要請した。財務相声明は二つの点で、経済界の動揺を避けた。一は告発に対し、事実解明に応じる約束をしたこと。二は同相が辞任に至ったとしても経済政策に変更はなく、経済は金融不安に対し十分耐えると声明を発表したこと。
 パロッシ財務相の辞任はルーラ政権の終焉であるとし、財務相自身が報道陣に説明するよう大統領が要請したという。同相は例え一時的といえども辞任の意向は全くないと明言した。同相の懸念はただ一つ。同相が信条とする経済原理が変更されること。
 財務相リベート享受の報が金融市場を駆け巡った十九日、ドルが過去十五カ月間で最高の二・九四%も反騰した。カントリーリスクは三・二%も跳ね上がり、サンパウロ証券取引所の平均株価指数(Ibovespa)は〇・九五%も下げた。
 金融市場では、労働者党(PT)政権最後の牙城パロッシ財務相への攻撃が始まったと受け止められ、政府は防御策としてインフレ対策や公共工事の引き締めを緩めるという憶測が走った。財務相後任の新財務相は、大統領への説得力に欠けると予測された。
 パロッシ財務相は、経済政策のことで情実に訴えることはないし、財務相がブラジル経済を支えているような発言もしないと宣言した。また財務相の立場にも執着しないとした。現経済政策が正論であることは、ルーラ大統領就任以前からの事実であったという。
 カルドーゾ前大統領から政権を引き継いだ当時、対外債務危機と国内の経済低迷の狭間で、国家経済は死に体にあったと財務相はいう。現在の経済指数は、外貨準備や雇用創出、通貨安定のどこを見ても成果が現れ、活況を呈していると財務相は述べた。
 一方、野党はルーラ大統領の詭弁作戦よりは財務相のほうがマシだと評価した。しかし、財務相のリベート享受否定は、説明不十分で納得するに至っていないと不満を表明した。大統領は財務相のように、記者会見に応じて国民に説明する度胸がないと、野党は大統領批判を続けた。
 野党も一斉に記者会見を行い、財務相の告発否定に反論した。一連の政府要人の声明は、議論のための議論と言い訳のための言い訳に過ぎないとアグリピーノ上議(自由前線党=PFL)はいう。ただ前官房長官の辞任にはあえて阻止しなかった大統領が、最後の牙城と財務相をかばったので、対応の相違が浮き彫りとなった。