「これで眠りますよ」。注射の針先がきらりと光った。その瞬間が最後の記憶。覚醒したときには待合室にいた。
援協で胃カメラを飲んだ。以前に日本で苦しんだ経験があるので不安です。そう伝えると、「無意識のうちに終わっていますから」。確かに、言われた通りだった。
日本ではまだ完全に普及していないと思う、このやり方は。こんな太い管がのどを通るかよ。大半の人は怯え、ゲホゲホしているはず。援協は進歩的だなあと感心した。
待合室にはお菓子、ジュース、コーヒー、お茶が。「検査のため絶食されていた方、また、夜行バスで来られた方のために」と、壁の張り紙に日本語で書いてあった。
頼りになる診療所だと改めて思った。あまり目立たない、文協ビル地下に位置するのを惜しむ人もあろうが、「縁の下の力持ち」にはふさわしい場所と言える。 (大)
05/8/23