2005年8月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】ブラジルのカトリック教会の信徒が過去五年間に国民の七三・九%から六七・二%へと減少し、カトリック離れが目立っている。サンパウロ州インダイアトゥーバ市で開かれたブラジル司教会議(CNBB)の年次総会で報告されたもので、カトリックを離れた一五二〇万人の信者の七二・七%は、同じキリスト教ながら複音教会など他の宗派に転じている。
これは昨年八月から十二月にかけて五十都市二千八百七十人を対象に行われた聞き取り調査で明らかにされたもので、このうち一〇・九%はキリスト教以外の宗教に転じた。逆にカトリック教へ入信したうち二六・九%は既存のプロテスタントから、一八・七%は他宗派からとなっている。これについて関係者は元カトリック信者が、他宗派へ移った後、再度戻ってきたものと分析している。
これまでに一度は他宗派に鞍替えした経験のあるブラジル人は二四%に上るが、このうち離婚者が五二・二%、法律上別居が認められた人が三五・五%と圧倒的に多いことから、心の拠り所を求めて改宗することが浮き彫りにされた。また男女別では二三・九%、二三・一%とほぼ変わらなかった。
年次総会では教会離れが増加しているものの、キリスト教の信者であることは変わらない点を再確認するとともに、カトリック教離れの原因がテーマとして話し合われた。調査によると、教会を後にした信徒のうち、三五%が教理あるいは教会の主張に納得しないと答えた。また一〇%が教会の受け入れに問題があるとした。これについては他宗派の三五%も同様の指摘をしたことで教会の姿勢が問われた。
また、教会の行事には、他宗派からの入信組が既存の信徒よりも教会の行事に積極的に参加するという事実が報告された。これらの入信組の二五・四%が礼拝儀式に参列し、二八・一%が聖書研究や信仰に取り組んでいる。また週一回教会で参拝するのが三三・三%なのに対し、既存組は二四・七%に過ぎなかった。これにより宗派替えをする信徒は追求心が強いことが実証された。
宗教に対する満足度を一〇点満点で評価すると、カトリック教が平均八・八に対し、他宗派は九・四に達しており、教会側は信徒離れの対応を今後も迫られている。