2005年8月17日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジル、インド、日本、ドイツ(G4)が提案した国連安保理常任理事国拡大決議案の総会での承認阻止を、米国とともに先週決定した中国に対し、セウソ・アモリン外相は「中国の立場に政府は失望したと言わざるを得ない」とフォーリャ紙のインタビューに答えた。
同相によると、「東洋的やり方」で、中国はブラジルの常任理事国入りへの支援を表明した。中国の当局者らは、常任理入り阻止の対象国は一九三〇年代と四〇年代に中国に侵略した日本で、ブラジルは全く関係がないと、ブラジル当局者に対し「口が酸っぱくなるほど」説明したという。
常任理事国を現在の五カ国から十一カ国に拡大するというG4の決議案は、新たに加入する国の名を示したものではなく、決議案が採択されても新しい常任理事国はそれぞれの地域から後に選出される。中国が日本の常任理事国入り阻止を試みるのは採択後でよいと同相は考えている。
常任理事国入りはブラジル政府の外交目標の柱で、それに対する中国政府の支援は、二〇〇四年にルーラ大統領が北京を訪れた際に胡錦濤国家主席と共に署名した共同声明にも盛り込まれていたと同相はいう。今年十一月にブラジル政府は中国を市場経済国と承認し、その見返りに中国政府は貿易協定を締結することになっている。しかし、承認は政府内でまだ決定されていないと同相は述べた。
貿易協定締結に釘をさしながらも、承認が撤回される可能性を否定した同相は、「失望」しながらも、ブラジル政府は中国との緊密な関係を維持してゆくことを強調した。