2005年8月17日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月二十四日】外国紙がブラジルの政治危機を重視した二十二日、対伯投資で黄信号を灯していた投資家らがいっせいにブレーキを掛けた。外国紙が見守っているのは、議会調査委員会(CPI)の成り行きだ。
ウオール・ストリートとロンドンの金融筋の警鐘は、ブラジルの株式市場ではなく、政府発行の国債に警戒するよう呼びかけた。株式市場はまだ明るさがあるが、国債の購入には慎重を期するよう忠告した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン理事長が公定歩合の引き上げを発表して以来、ブラジルの国債に霧が立ち始めた。さらに中国の人民元引き上げで、国債は信頼度を引き下げた。国際通貨の流通量削減の中、ブラジルでは汚職告発が始まった。
投資家らは、ブラジルの政治危機がさらに深刻化すると見ている。一方、国際通貨基金(IMF)は、ブラジルのマクロ経済にまで影響を及ぼさないとみている。たとえルーラ大統領がスキャンダルに巻き込まれても安泰と予測している。
ニュースウイークの見方は、パロッシ財務相をルーラ大統領の秘密兵器としている。先週はブラジル財務省の特集を組んで、スタッフの面々を紹介した。大揺れのPT丸の中で、頼れるのは財務相だけという。政治危機の中、財務相の立場は強化され新しい財務相の横顔を見せている。
国際金融界が心配するのは、政治危機が均衡財政を損なうこと。政治改革の遅れが政府経費と社会保障院の累積赤字拡大につながりそうだ。すでに設備投資の減少も起きている。しかしルーラ大統領の再選がなくても、ブラジルは危機を克服する。
ブラジル経済の構造的条件は、政治危機に関係なく構築される。次回選挙で政権が交代しても、政治改革と経済発展は既定の方針通り押し進められると同紙は論評している。