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外国違法資金の実態解明へ=郵便局CPI=FBIに協力要請=ヴァ氏、メン氏の資産と取引を=89年以降PTが違法送金

2005年8月16日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】連邦警察は十二日、メンドンサ氏の郵便局CPI(議会調査委員会)での証言に基づいて、労働者党(PT)が外国に巡らした違法資金コネクションを解明するため、FBI(米国連邦捜査局)に協力を求めた。同氏は二〇〇二年、ルーラ大統領の選挙でマーケティングを担当。その後、広告業者ヴァレーリオ氏の指示で同氏は、マイアミの銀行からバハマに開設したオフショア(資金運用の国際的管理)企業の口座への預金を通じ、活動の報酬一部を受け取ったと供述した。
 FBIに捜査を依頼したのは、メンドンサ氏とヴァレーリオ氏名義の企業が有する在米資産と取引状況についてである。両氏は資金の持ち出しに、ボストン銀行やフロリダ銀行、イスラエル・デスカウント銀行米国支店を使った。連警は金融取引に関与した責任者の名前も調べるようFBIに求めた。
 メンドンサ氏への支払いは、不正資金の通常ルートである三角方式と呼ばれる違法送金方式が用いられた。連警とFBIはこれまで、再々連携プレイを伯米両国にまたがって行ってきた。最後の捕り物では、米国金融市場の詐欺王を捕らえ、刑務所へ送った功績がある。
 国際金融を舞台とする違法取引は、ほとんどが米国で行われている。例外はヨーロッパ・ルラル銀行だけだった。本店がマデイラ島にあり、ヴァレーリオ氏の裏金システムは捜査網の虚を衝いたかたちとなった。
 ヴァレーリオ氏が構築した汚職資金の違法送金コネクションは、法務省の外国流失資産局をも立ち上がらせた。連警と法務省の捜査結果は全てCPIと議会へ提出される。
 CPIは、ヴァレーリオ氏の指示でメンドンサ氏がオフショア企業を開設したとする証言に対し、疑問を指摘した。PTの報酬は約四十回にわたって同氏の外国の口座に入金されたが、ルラル銀行から送金されたもののうち、金額と日時が合致したものはたった一回しかない。
 CPIは、メンドンサ氏の証言を説明不十分で、納得できないとした。さらにヴァレーリオ氏の隠し資産があるとみている。PTの違法資金の運用を行いながら裏金を賄っているグループが、外国に多数あると推測している。
 服役中の為替業者クララムントが、PTはルーラ大統領が大統領選に立候補した八九年以降外国への違法送金を行い、裏金の資金運用を常習していたと供述した。同業者がPTの違法送金を担当した。当時弁護士であったメントール下議は、PTに三人の王様がいると脅したという。
 メンドンサ氏のオフショア企業デュッセルドルフの口座へ振り込んだ資金の出所は、ヴァレーリオ氏が口を割らなければ解明不可能と金融関係者はみている。分かるのは経営者名と開業日だけで、あとは地元の弁護士が握り、闇の世界にある。
 タックスヘイブンでは、企業の売買が屋台のバナナ売りのように行われる。購入者はサインだけで、即時経営者になる。企業の事務管理は弁護士や計理士、金融業者が行い、内容は一切公表しない。誰がメンドンサ氏の口座へ預金したか、分からないのがタックスヘイブンの特徴と言える。