今年の日本は暑いらしい。先日は高知県の四万十市で39・7度を記録し、関東地方なども酷暑に見舞われた。尤も、1933年の7月25日には山形で40・8度になっており、これが日本の最高気温とされているし、世界ではイラクのバスラで58・8度という記録が残っている。これに比べれば日本はまだいい方だが、気象庁によると、日本はこの百年で年間に気温が1度高くなっていると警告する▼今の状況が続けば、これからの百年で2度くらい上昇するのではないかと予測しているが、これ以上暖かになると自然現象も変化してしまう。エドザクラと呼ばれる染井吉野の開花が2月になったりもするだろうし、雪に包まれての桜見物も。と、これは遊びだからまだしも南太平洋の島嶼国家では、島が海に飲み込まれてしまう危険もある。地球の温暖化が進みすでにそうした埋没傾向は現れている▼南氷洋や北極の氷河は急速に溶けているし、溶解の速度も速くなっている。これらが海水の上昇を招き南太平洋上に浮かぶ環礁国ツバルは、水没の危機に晒されている事実にも目を向けたい。南洋の島嶼国には、こうした海水との闘いに苦しむ国々が多い。日本の援助で海岸に堤防を築き「押し寄せる海水の浸水防止」に成功した国もあるが、こんな防止策だけでは不十分なのは云うまでもない▼ブラジルの冬も今年は暖かい。暖冬異変と云ってもいいほど気温が高い。これも地球温暖化の影響とすれば、これほどの危険信号はあるまいに―。 (遯)
05/08/16