2005年8月12日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】セアラ州フォルタレーザ市の中銀での一億五〇〇〇万レアル盗難事件を捜査している連警捜査本部は十日、ミナス・ジェライス州で一味と思われる容疑者二人を逮捕したことを明らかにした。また未確認情報ながら盗まれた金の一部五〇〇〇万レアルを押収したとも伝えられている。
逮捕されたのは車両運搬トラックの運転手と、同乗していたそのトラックの所有者で運送会社の経営者。そのトラックで運送されていた小型トラックのピックアップ車の中に五〇〇〇万レアルが隠されていたという。二人はフォルタレーザ市の捜査本部に身柄を移され、本格的に取り調べを受ける。
いっぽうフォルタレーザ市で連警は現場から四ブロック先の駐車場に放置されていたワゴン車内から散らばった五〇レアル紙幣、総額五三五一・五〇レアルの現金を発見した。中銀の破られた封印紙も多数散在していたことから、盗んだ金を車内でバラし、その際に現金が落ちたものとみられている。これら紙幣に加え、車内からは犯人グループの物と思われる複数の指紋とタバコの吸い殻が発見された。タバコの吸い口に口紅が付いているものもあり女性の共犯者が混ざっていたことを物語っている。これらは科学捜査課でDNA鑑定が行われる。
また、同本部では目撃者の証言から、トンネルを掘ったアジトに出入りしていた複数のグループのメンバーのうち、四人のモンタージュ写真を作成、全国に配布する。同時にリオ・グランデ・ド・ノルテ、ミナス・ジェライス、サンパウロ、リオ・グランデ・ド・スル各州の連警の協力を得て、主要幹線道路に非常線を張り不審車を検問している。
捜査本部では現場検証の結果、犯行の手口から複数の犯行グループが連合で実行した疑いが強いとみている。中でも昨年サンパウロ市で発生した二件の現金輸送会社の盗難事件では逮捕された九人のうち六人が不起訴となっている。さらに一九九九年のバネスパ銀行での二四〇〇万ドル盗難(今回の事件発生までは史上最高となっていた)の犯行グループ十三人の逮捕者のうち、六人が刑期を終えて出所していた。連警ではこの両グループが手を組んで今回の犯行に及んだ可能性が強いとみている。
さらに、アジトから三カ月前の日付が入った同銀行内の見取図が発見された。同行によるとその時期から行内の改修工事が実施されていたという。また金庫室では床に開けられた穴を防犯カメラから隠す形でフォークリフトが一台立ちはだかっていることから、内部の人間の共犯説は揺がせない事実だとされている。