2005年8月12日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】アウキミンサンパウロ州知事は九日、テレビカメラを通じて被害者が未決刑務所にいながらして裁判を行う方式を採用することを決定、即刻実施する旨発表した。これまでは被疑者が裁判所に護送されて裁判を受けていたが、今後は未決刑務所内と裁判所に設けられた二十九インチのテレビカメラの前で裁判を行うもので、ビデオコンフェレンス(テレビ裁判)と名付けられた。
証拠物件などもすべてテレビの画面に流され、被疑者と弁護士の打ち合わせの時は守秘義務で、マイクのスイッチが切られる仕組みとなっている。知事によると、これまでに護送中に仲間が奪回を計って襲うケースがしばしば発生しているが、これによりそのリスクを回避できるのと、刑務所から裁判所までの護送警官の手間や時間を節約できるとしている。これらの警官を市内のパトロールに回すことで一石二鳥となる。
二年前から検討されてきたこのプランは、試験的に軽犯罪の審議をした結果、活用可能との確信を得たことで、実施に踏み切ったという。同知事は同日、ピニェイロス区の未決刑務所内で行われたテレビ裁判の模様を視聴し、その成果に満足の意を表し、全州の刑務所に適用する意向を示した。裁判所の模様がDVDに収録され、保存されるという利点もある。