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議員権はく奪リスト提出へ=郵便局CPI=10日以内、18人対象=ジルセウ前官房長官含み=下院議長は慎重路線

2005年8月9日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】郵便局CPI(議会調査委員会)は五日、議員権のはく奪を執行すべき十八人の議員リストを下院倫理委員会へ十日以内に提出することを決定した。郵便局に構築した汚職システムで捻出した裏金を配布したとされる広告業者ヴァレーリオ氏の口座から引き出した預金にCPIは焦点を当て、背後関係を調べる。CPIは十日以内に議員倫理への抵触を審理し、立件されれば直ちに倫理委員会へ回し仮処分が執られる。
 郵便局CPIの第一回目報告が十日以内に発表される運びとなった。内容については、まだ各党首脳部とCPI委員の間で議論が交わされる。上程者セラグリオ下議とCPI委員の四人は、裏金への直接または間接関与とを合わせ、十八人の関与者を絞った。CPIは十五日毎に金融取引と融資契約の中間報告を行い、調査期限の終了時に最終報告をまとめる。
 ペレス上議(民主労働党=PDT)は、ジルセウ前官房長官を含む下議十八人の議員権はく奪は立証済みだとみている。同上議は前官房長官については、郵便局CPIでなく裏金CPIで直接、審理すべきだったという。郵便局CPIでは、前官房長官の側近マルケス氏がヴァレーリオ氏から受け取った五万レアルの引き出し許可が立証できず、証拠不十分となる可能性が出てきた。
 ジルセウ下議とジェフェルソン下議のライバル対決は、まだ結論が出そうにない。裏金捻出をめぐるジルセウ総指揮官疑惑も、決め手を欠いている。アマラルCPI委員長は十一月を以って、郵便局CPIは閉幕すると宣言をした。前官房長官の裁決は、下院本会議の判断に任せるらしい。
 下院法制委員会は五日、下院倫理委員会に対し、議員休職中の議員権はく奪は妥当とする意見書を提出した。これは、休職中の出来事を理由としたはく奪は法的根拠がないとジルセウ下議が抗議したことへの反論といえる。同下議に対する告発は、大統領府官房長官の就任で下議を休職していた期間に関するものだから、対象にはならないとジルセウ下議はいう。
 下院法制委員会は、過去の例としてパスコアル下議を挙げた。同下議は就任以前の犯罪で処罰された。それでも、前官房長官は下院の良識に期待をつないでいるらしい。下院で同下議の議員権はく奪が決議されても、最高裁へ上訴という手が、まだ残されている。
 下院倫理委員会のイザル委員長は、ジェフェルソン下議が提議したジルセウとマベル両下議の議員権はく奪請求を下院執行部へ送った。執行部は、正式に請求手続きを行うよう倫理委員会に要請した。正式に手続きをすると、ジルセウ下議は請求手続きの中止ができないので直前に議員辞職の可能性がある。手続き後、はく奪審理が始まると議員辞職もできない。議員権はく奪には、党籍を失うだけのものもある。
 一方、カヴァウカンチ下院議長はCPI調査が終わるまで、ジルセウとマベル両下議の議員権はく奪審議は行わない意向を表明した。下院には小委員会が八つあり、各委員会から議員権のはく奪請求を正式に行わせ、ジェフェルソン下議に対する喚問も終えてからはく奪審議に入ればよいと下院議長は考える。すでに議員の任期が終わったころの審議となる。