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騒音に侵されるサンパウロ市=苦情の半数は夜のバール=一石二鳥の有効策は植樹=日中でもある音量規制

2005年8月5日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七月三十一日】サンパウロ市内の観光スポットと指定されている名所がことごとく基準を超える音量の中にあり、騒音公害に侵されている。家庭の台所でジュースやケーキなどを作る際に使用する電動ミキサーは家電の中で最も音量が高いと言われ、使用中は周囲で会話ができない程だが、これらスポットはミキサーに優るとも劣らぬ音量に害されている。当然周辺の住宅にも及び、今年に入り三カ月間で一万五千件の苦情が当局に寄せられた。これにともなう罰金も七十一件で四百万レアルに達した。午後十時までは規制がないと思い込んでいる人が大半だが、日中でも音量規制が定められており、違反すると罰金が科せられる。当局では八月から取締りを強化する方針を打ち出している。
 一般には午後十時までは音量に規制がないと思い込み、音楽などを高音で流したりする傾向にあるが、音量規制は日中でも法で定められ、罰金の対象となるほか、重度の違反は閉鎖処分となる。規制では午前七時から午後十時までは、工業地帯で七〇デシベル(音の強さをはかる単位。略号DB)で、工業と住宅混合地区は六五DB、住宅地区は五〇DBとなっている。ミキサーの音量が八五DBなのでおよその見当はつく。 市当局騒音対策課には今年一月から三月までに一万五千件の苦情が寄せられた。昨年同時期は一万三千件だった。このうち五千二百件強で立合検査が行われ七十一件は総額四百万レアルの罰金が科せられた。昨年は百十二件で二七〇万レアルだった。
 罰金件数が減ったのは、騒音で閉鎖されたバールが昨年の十六カ所から八十九カ所に増えたのが原因の一つとなっている。苦情は自動車修理所や中小工場にも多いが、何といってもダントツが夜間営業のバールで五五%を占めている。中でも地域別ではイタイン・ビビ、ピニェイロス、ベラ・ビスタが群を抜いている。
 市内十二カ所の地点での音量検査では、コンゴーニャス空港脇のワシントン・ルイス通りとバンデイランテス通りの交差点が平均八七・四DBで、飛行機が離着陸するピーク時は一〇九・五DBを記録して最高となった。
 次いで地下鉄セー広場駅の八一・七DB。以下順にマルジナル・ピニェイロス(エレトロパウロの送電所付近)の八〇・七DB、イピランガ通りとサンジョン通りの角の車の騒音が八〇・五DB、セー広場の群衆とカメローの発生が七九・二DB、車の騒音が八〇・五DB、セー広場の群衆とカメローが七九・二DB、バンデイランテス通りとフンシャル通りの角が七八・九DB、パウリスタ大通りとブリガデイロ大通りの角が七七・四DB、レボウサス大通りのクリニカ病院前が七四・八DB、お茶の水橋(通称)の市庁前が七二・六DB、心臓病院舞うのカルバリョ・アギアル通りが六八・六DB、オリンピア区のカマルゴ・コレア・ビル前が六八・四DBとなっており、いずれも規定の五〇DBと六五DBを超過している。唯一規準内だったのがイビラプエラ公園内の五八・三DB(規定は六五DB)だった。
 騒音は環境のみならず、健康にも黄信号を灯すと警告されている。五〇DBから七〇DBは、不安定な状態となり集中力が失われる。七〇DB以上になると強度のストレスがたまり、高血圧や心臓圧迫につながり、心臓麻痺の危険性がともなう。八五DBでは難聴となる。騒音防止には車やオートバイの音量取締りも当然の事ながら、樹が防音の壁となることから市内の植樹を唱える声も多い。ビル乱立で裸になった市街の美化にもつながり、一石二鳥だとする声が高まっている。