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リベルダーデは「学生街」=大学6校、予備校3校ひしめく

2005年8月5日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七月三十一日】「リベルダーデ区はもはや日本人の街ではない。住宅地でもなく商業の中心と化した」と断言するのは、タマンダレー通りのアングロ予備校のフィゲンポイン校長だ。
 古くから日本移民が集結し「日本人街」とも呼ばれたが、今や新しい活気が芽生えている。学生だ。学校教育の環境に適している(同校長談)ことから、現在区内には六つの大学、三つの予備校があり、それにともなって商業、サービス施設、軽食店やレストラン、下宿およびアパートの賃借しなどがひしめき合っている。
 各大学ではキャンパスを拡張する意向を示しているが、中でもヴェルゲイロ通りのノーベ・デ・ジューリョ大学(ウニノーベ)は現在の一万二千人の定員を十年間で二万人にするべく増築を始めている。このほかパウリスタ教育調査大学院(IPEP)がピラピチングイ通りに、アルバレス・ペンテァド大学(FECAP)がリベルダーデ通りにあり、修士課程のみで四千五百人が就学している。さらにUNIPがヴェルゲイロ通りに、FMUがリベルダーデ通りに、クルゼイロ・ド・スル大学がガルヴォン・ブエノ通りにある。
 さらに三つの予備校は、前出のアングロはタマンダレー通りで歴史が古く、多くの日系人も学んだ所、現在五千人の生徒を抱えている。リベルダーデのメトロ・サンジョアキン駅の隣には予備校エタッパがある。高校の本校はヴェルゲイロ通りにあり、進学率ではサンパウロ市内で一、二を占める名門校だ。さらに残りはタマンダレー通りのプロベストで、これら全てを合わせると、登校時や退校時には路上に学生が溢れ、しばし大渋滞となるほどの活気を呈する。
 七月の一カ月間は休暇のため近辺の商店街にも閑古鳥が鳴き、開店休業や従業員に休暇を与える所も多かった。今週からの授業再開に向けての骨休みといった所か。一部のバールやレストラン、下宿で昼食を出す所は一様に休業となる。軽食店やパン屋などは売上げが半減する。駐車場も平常は一日六十台を収容するが、休暇期間は一日最高二十八台だった。学生によると、五〇%はサンパウロ市以外の在住所で、下宿や間借りで、授業の休憩時間には、こぞって軽食店でおやつやサンドイッチを食するという。
 教育関係者によると、リベルダーデの利点は交通至便なこと、住居、環境、さらに古くから教育設備や観念が地域に浸透していたことにあると指摘している。とくに交通は地下鉄サンジョアキン駅が中心となっている。地下鉄公団によると、通常では同駅の利用客は一カ月七十八万三千人だが、そのうちの十九万人は学生割引回数券を使用している。これら学生は六月で八千七十一人だったが、七月はわずか二千八百二十七人と減少した。同公団では、休暇の時期は地下鉄利用が七%から八%まで落ち込むが、サンジョアキン駅だけは落ち込みが二五%に達するとのこと。