ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ジェ、ジル両人が直接対決=激しい攻勢と一貫した守勢=葡電話会社の融資を新公表

ジェ、ジル両人が直接対決=激しい攻勢と一貫した守勢=葡電話会社の融資を新公表

2005年8月4日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】労働者党(PT)にまとわる不正資金と買収工作を告発したジェフェルソン下議(ブラジル労働党=PTB党首、現在休職中)と、同下議が告発の中で核心の人物として名指ししているジルセウ前官房長官の両人が、一日に行われた下院倫理委員会での意見聴取で初めて「直接対決」した。
 同委員会は議会調査委員会(CPI)とは異なり、調査権も束縛権もないことから両人の自由発言となった。PTBが連立与党でありながら同下議が何故PTのスキャンダルを明るみに出して、その張本人が前長官だと決めつけているのか、またこれに対し前長官が具体的にどのように釈明するかに注目が集まっていた。
 二人はそれぞれ一時間の待ち時間で自由発言を行ったが、同下議が激しい姿勢で主役を演じた形となったのに対し、前長官は終止一貫して守勢に回る対照的な攻防となった。しかし、同下議がポルトガルの電話会社の融資話を新事実として公表した以外は従来の水かけ論で終わり、新しい進展は見られなかった。
 ジェフェルソン下議は最初の一時間の発言で、冒頭から攻撃的な態度でジルセウ前長官を不正資金調達の張本人と決めつけた。巨額の資金の流れを党執行部が財務担当の一存に委ねるのは理にかなっていないとし、ジェノイーノ前党首は副党首であり、権限を有していたのは実質党首の前長官だと主張した。
 さらに党の債務を払うためポルトガル・テレコムから融資を受けるために前長官も含めPTミッションがリスボンを訪問して交渉した経緯があるが、この大型商談を前長官独断で推進できる訳はなく、政府ひいてはルーラ大統領が関与していると指摘した。訪問したメンバーを召集して事情聴取すべきだとも提案した。後程、前長官はこれにつき否定したものの、詳細には触れなかった。
 さらに資金調達人の広告代理店経営のヴァレーリオ氏とは、前長官は公の場で一、二度しか会っていないと証言しているが、同氏は十二回面談したとしている。これと合わせ、前事務局長や財務担当が執行部の知らない所で勝手に動いていたという弁明を国民が信じると思うかと投げかけた。
 これに対しジルセウ前長官は、同下議が何故執ように無実の自分を攻撃するのか解せないとした上で、官房長官時代に公官庁のトップ人事をPTBに回さなかったことの逆うらみだとの見方をしている。また不正には一切関与していないと、これまでの主張を繰り返した上で、シロクロは裁判所がつけるもので、それまでは戦い抜くとしている。議員辞職は考えておらず、議員権はく奪で八年間の参選禁止になっても、態度は貫くとの意志を示している。さらに前妻の就職あっ旋や融資をヴァレーリオ氏に依頼した事実などはないと断言した。