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PL党首が議員辞職願提出=裏金享受で引責=「PTの誤った誘いに乗った」=議員権はく奪免れるか

2005年8月3日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】連立与党、自由党(PL)党首のヴァウデマール・コスタ・ネット下議は一日、労働者党(PT)前財務担当の指示で広告業者ヴァレーリオ氏の裏金を享受した責任をとり、議員辞職願を提出した。同下議は裏金享受を理由に辞職願を提出した第一号となった。同下議は辞職の挨拶で、享受は不本意であったが、選挙費の債務決済で経済的窮地にあったためという。政治献金とみなされない裏金享受は、PTの誤った誘いに引き込まれたものだとした。
 連立与党の間で配布された裏金は、閣僚や党幹部、公社の管理職などを失脚させたが、ついに国会議員の失脚に及んだ。ネットPL党首は辞職すれば下院倫理委員会による議員権はく奪は免れ、二〇〇六年の選挙で返り咲く可能性が残される。下院倫理委員会は、受理した同党首の辞表を初めての異例ケースとして審議する。
 コスタ・ネットPL党首は、モジ・ダス・クルーゼス市のヴァウデマール・コスタ・フィーリョ前市長の子息。七七年、モジ市の土木課長。八五年、サンパウロ州港湾公社で理事を務め、下院入りは九一年。〇三年、ジルセウ氏を批判して閑職へ。〇四年、パロッシ財務相の更迭を叫んだ。
 同党首の辞職が裏金疑惑に絡む多数の議員辞職への引き金となり、PTは政権発足以来、最大の政治危機を迎えることになりそうだ。議員権はく奪の俎上に上がっている議員は二十人。ジルセウ前官房長官もその一人だが、裏金とは無関係と主張するらしい。
 裏金享受の疑惑がある側近マルケス氏は、前官房長官に代わり下郎の首となるのか。前官房長官の前妻サラゴーサ氏が就職と住宅購入でヴァレーリオ氏の便宜を受けたという証言は、PTの立場を微妙にした。前官房長官は二日、下院倫理委員会でジェフェルソン下議と対決する。同倫理委員会にはグシケン前長官も証言のため召喚された。
 辞職するPL党首は、連立関係にあるPTが違法資金を提供したことは疑う余地がないという。党員の選挙債務を決済するには、裏金はとても足りない中途半端な金額であったと同党首は無念を語る。
 ジェフェルソン下議の告発によれば、裏金を受け取ってPPなどの連立与党へ割り振り、議会の支持票獲得で陣頭指揮を採った裏金配布のキーパーソンはPL党首とされる。離婚で訴訟中の前党首の前妻による証言では、前党首は裏金をエサに賛成議員を募ったという。
 次の辞職下議と見られるのがクーニャ前下院議長。議員権はく奪になると、二〇一五年まで政治活動が禁じられる。〇六年選挙で返り咲くため、議員辞職の続出が予想される。下院倫理委員会で辞職が拒否されると、議員権ははく奪される。
 与党PTの中から議員辞職で噂に上がっているのが五人、クーニャ前下院議長に続いてルイジーニョ下議、ロッシャ下議、ゴーメス下議、マギノ下議など。党執行部は二日、五人を集め今後の方針を話し合う。五人は側近を通じてヴァレーリオ氏から裏金を享受した。ゴーメス下議に至っては本人が出向き、当人の身分証明書のコピーまで提出した。