2005年8月3日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月十日】プラスチック製の航空機に二百六十機以上の注文が殺到している。製作しているのはジョゼ・C・グルビシッヒ社長のブラスケンとプラスチック工業協会の合弁会社。
機種は百二十三人乗りと二百九十六人乗りの二種類で、定期便用である。使用する材料は、バケツや家庭用品のプラスチックではなく、グラスファイバーとの合成樹脂。従来のアルミ製航空機に較べ、はるかに軽量となる。
サンパウロ大学サンカルロス工学部のジェームス・ウォーターハウス教授が、同機は燃料消費が少なく燃料タンクも小さいという。スピードは速く腐蝕も少ない。機の耐久年数も長い。整備時間も短く、稼動時間が多い点で有利となる。
米ボーイング社のエアバスは、EU製航空機との競争に向け、軽量化と三〇%のコストダウンで苦闘している。航空業界は航空運賃の値下げ競争と客取り合戦で、航空機メーカーへしわ寄せがきている。
プラスチック製航空機は、小型機ですでに実用化されていた。大型化に成功したのは同社がパイオニア。しかし機体や主翼部分にまだ問題がある。航空機メーカーは安全性を優先するので、米メーカーは採用に踏み切れないでいる。