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イタペチの農村観光化運動=5千本の「花の森」開く=サンパウロ市市民らを1年中招く=「果物も野菜もあります」

2005年8月2日(火)

 農村観光化運動を推進する芳賀七郎さん(72、宮城県出身)=モジ・ダス・クルーゼス市イタペチ地区=の農園「花の森自然公園」で七月二十九日、山開きがあり、約四百人が祝福に訪れた。都会から観光客を呼び込み、柿や蘭などの特産物を買ってもらうことで、町おこしを図ろうというのが芳賀さんの構想。これまで、季節ごとのフェスタなどを企画してきた。即売場がこのほど完成し、来訪者を日常的に受け入れる態勢が整った。
 二十四ヘクタールの敷地内にはパウ・フェーロ、柿、雪割り桜、クアズメイラなど、草花、果樹、常緑樹が計五千本以上バランスよく植樹されている。特に、コケイロの並木が印象的だ。土壌の流出を防ぐため、グラマを敷くなど工夫もみられる。
 主なターゲットは、サンパウロ市民。「例えば、多種類のミカンを植えることで、来園者が一年を通じて楽しめるようにするつもり。都会在住者の憩いの場になってほしい」と力を込める。
 この日は市の関係者を始め、イタペチ日本人会、コチア青年の仲間、文協、博物研究会、リベルダーデ歩こう友の会会員などが招かれた。農村観光化の現場を見ようと、ジャカレイ、アチバイアなどから多くの農業関係者が視察に訪れていた。
 南米神宮の神主によるお祓いの後、ルーベンス・ソロヴジェアス経済振興課長(安部順二市長代理)、橋本悟郎博研顧問、高橋一水コチア青年連絡協議会会長らがメタセコイアやクスノキなどを記念植樹した。
 挨拶に立った芳賀さんは「若い人は、町に流れていった。農村観光が町の活性化につながればよいと思っている。コチア青年で、渡伯して四十七年。裸一貫から仕事を始めた。ブラジルに、何か残したい」と語った。
 ソロヴジェアス課長は「イタペチは国内で有数の柿の産地。日本人会やSEBRAEと連携して、農村観光プロジェクトを立ち上げた。骨董市で有名なエンブーのような町になればいい」と述べ、芳賀さんの運動を後押ししていく考えだという。