リオ市北部グアダルペで9日夜、連邦政府の持ち家政策〃ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ(MCMV)〃の一環として建てられたアパート11棟に武装した麻薬密売者らが侵入し、コンドミニアムを占拠。密売者らに続いてやって来た約200人が住み始めたと11日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
約240戸からなるコンドミニアムは、コマンド・ヴェルメーリョ(CV)が支配し、警官と麻薬密売者らの銃撃戦も頻繁に起きているシャパドンと呼ばれるファヴェーラに近く、建設中も様々な形で密売者らが警察の接近を阻む行為が見られた。
今回の侵入は、完成後の入居者の抽選も終り、2カ月以内に鍵を手渡すという状態で起きた。MCMVの対象となる家やアパートは鍵を手渡すまでは連邦貯蓄銀行(CEF)の管轄であるため、リオ市住宅局とCEFは11日に保安局に侵入者を立ち退貸せるよう要請した。
問題のアパートは最終的な登記作業を残すばかりだが、連邦政府は、建設中のアパートの治安管理は、建設を担当した企業のBR4の責任だとしている。これに対しBR4は、武装した犯罪者らが侵入してきたのでは手の施しようがないと弁明した上で、警察に被害届を出し、裁判所にも立ち退き命令を出すよう求めたと説明している。
現場では、侵入者達が平和裏に立ち退くよう、交渉が行われているが、11日には、交渉が決裂して強制立ち退きとの判断が下った時のための軍警配備も終っている。
市住宅局では既に、入居予定者に連絡をとり、状況を説明している。
他方、グアダルペ地区の警備などを担当する軍警第41大隊によれば、11日~12日未明にかけては何の事件も起きていないが、コンドミニアム周辺では、乳母車を押す女性の姿などと共に、小銃を持った男が乗り込んだ乗用車がコンドミニアムから出て行くと同時に若者達が門を閉める様子や、覆面姿の若者が建物の前でたむろする様子などが観察されている。
リオ市では今年4月、西部のカンポ・グランデに建てられたMCMVのアパートに、警官や政治家、犯罪者らからなるミリシアが侵入し、住民らを脅して追い出すという事件も起きている。この時は、退去を命じられても応じなかった住民達が殺されるなど、緊迫した状況が続いた。
今回侵入事件が起きたコンドミニアムでは、死傷者は出ておらず、平和裏に立ち退きが行われるか否かが注目される。
都市省によれば、この5月にはMCMVに関する不正や違法行為を摘発する電話を受付ける部署が新設され、既に150件の通報を受けている。この内30件はリオ州からの通報で、20人が逮捕されたという。
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