2005年8月18日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】サンパウロ市都心部を走る高架線エレバド・コスタ・エ・シルバ、通称ミニョコンに対して騒音や美観を損なうといった苦情の声が高まってきたことから、セーラサンパウロ市長は対策に着手する意向を示し、当局関係者に二カ月以内に具体案を提出するよう命じた。
ミニョコンは一九七一年、当時のマルフ市長に建設された全長三・五キロの高架線で、都心に乗り入れずに東西を結ぶ便利さで好評を得たが、騒音対策や景観を考慮しなかったため、付近の住民から苦情が出ていた。九六年に二度目の市長に就任したマルフ市長もその非を認め改善を検討したが、なす術もなかった。前任のマルタ市長も同様の検討をしたが、予算不足を理由に投げ出した。
有力な案としてはミニョコンを存続させ、両脇に防音壁を張りめぐらせ、植物を植えて美観を保つ方法があり、経費も安く上がるとみられている。
さらに高架線を全て撤去する案も出ているが、五万八千立米のコンクリートと六二〇〇トンの鉄骨を使用していることから、作業は困難を極める。発案者はそれらを郊外の橋や陸橋に再利用できるとしているが、セーラ市長は作るよりも壊す方が金がかかると難色を示している。また撤去した場合、車両が都心部に流れ込むため渋滞に陥るという問題も発生する。
また、現在のミニョコンを撤去して代わりに地下トンネルを掘る案も出ているが、総工費が一〇億レアルと見積もられ、サンパウロ市総予算の一五〇億レアルからはとうてい捻出できないとして却下された。