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PCCの台所事情明らかに=毎月100万レアル集める

2005年7月28日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】国内最大の犯罪組織と言われるサンパウロ市の首都第一コマンド(PCC)が、大企業に優るとも劣らぬ一〇〇万レアルの収入を毎月得て、資金を流用していたことが明らかになった。
 これは連警が六カ月に及ぶ捜査で同組織の電話五十本のやりとり、五百時間にわたる通話を録音し続け立件した。連警は幹部十数人を逮捕、多数の武器、それと今回初めて明るみに出た会計帳簿を押収した。
 逮捕者の中には警官のほか、これら組織犯罪を取り締まる捜査員も含まれていた。またPCCのドンと言われ、逮捕済の通称マルコラの情婦も逮捕された。マルコラは現在国内一の警備堅固のプレジデンテ・ベルナルデス刑務所に収容されているが、今回の検挙でさらに組織犯罪再編成の罪が加わる。
 当局は今回の検挙で、「PCCは組織再編成で勢力を伸ばそうとしているが、それを片端からつぶすのが我々の務め」と鼻息が荒い。また捜査員が一味に荷担していたことについて「情報を売って(警官の)同僚を何人も死に追いやった罪は許せない」と怒りをあらわにしている。
 捜査当局はビラ・アルピナ区コスタ・バロス通りにある一味のアジトを急襲し、対空ロケット砲や機関銃など数丁の重装武器、時価五〇万レアル相当を押収した。さらに経理担当で通称DVDの自宅から会計帳簿や関連書類を初めて押収した。これにより組織の巨額資金の流れが判明した。
 組織はサンパウロ市を七つのブロックに分け、それぞれで麻薬代金、武器売却代金、ペルエイロ(乗合いバス)の売上げを集計し本部に上納していた。さらに組員からは毎月五〇〇レアル納めさせていた。驚くことに刑務所にいる組員から毎月五〇レアルを徴収、刑務所内でもたて横の関係を保っていた。
 PCCは資金不足との噂が流れていたが、押収した書類によると、武器の新規購入が予定されていることで、資金集めのゲキが飛んだものだと判明した。また組織では逮捕された幹部の家族に毎月手当を支給していた。前出のマルコラの情婦には月々一万五〇〇〇レアルだった。下部の組員にはセスタ・バジカ(日用必需品)が支給され、月四百個にも達していた。
 今回の検挙でPCCは、警察当局への挑戦と取れる「平和の破壊」を宣言した。二〇〇二年から〇三年にかけて横行したPCCによる警察署や裁判所への無差別襲撃を再現するとの不穏な発言をしている。