2005年7月28日(木)
入植四十五年を迎えるパラグアイのピラポ移住地は八月二日から七日にかけ、ピラポ市(永見アンドレス市長)、日本人会(水本涼一会長)、農業協同組合(高橋幸夫組合長)の共催で記念祭を行う。
二日には開拓先亡者慰霊祭に続き、国内外から多くの出席者を迎え、記念式典、祝賀昼食会が催される。
日本人会の玉井信幸事務局長は、「近隣移住地からの出席も含め、約八百人のを見込んでいます」と予想している。
同日午後にはニカノル・ドゥアルテ大統領の記者会見が行われるなど、国内で同移住地の果たしてきた役割をアピールする機会にもなりそうだ。
記念祭の期間中には、移住地内に建設された文化スポーツセンター、上手橋などの落成式があり、移住地の一層の発展が約束される。
パーク・ゴルフ大会、同地で生産される農産物の品評会など各種イベントが目白押し。芸能関連イベントも華やかだ。二日の婦人会が披露する「ピラポ音頭」を皮切りに、歌手の井上祐見の歌謡ショー、ブラジル弓場農場のバレー団の公演などが記念祭を彩る。
六日には全パラグアイ相撲選手権大会、七日は全日本、岩手、ペルー、ウルグアイなどからの選抜力士がその技を競う南米相撲選手権大会と国際相撲大会が開かれる。会場となるのは、南米一の誉れも高いピラポ自慢の土俵だ。
ブラジルからも岩手県人会が慶祝団(千田昿暁団長)を派遣。約四十人が喜びを共に祝う。一日に母県からの来賓も迎えるピラポ岩手県人会の創立四十五周年も開かれることから、岩手県関係者にとっては二重の喜びとなりそうだ。
岩手県人会のパラグアイ訪問は五年ごとに行なわれているもので、毎回四十人ほどが参加。〇三年のブラジル岩手県人会創立四十五周年の式典にはパラグアイ側から八十人が来伯し、岩手の郷土芸能、鬼剣舞を披露して祝福している。
今回始めてピラポを訪れる山道慶大事務局長は、「刺し身を持ってお祝いに行きたい」と話している。
【ピラポ移住地】
戦後のパラグアイの移住地としてはチャべス、フラムに引き続いて三番目、戦前からあわせると四番目の移住地として設立された。現在の国際協力機構の前身である日本海外移住振興株式会社が一九五七年一月より調査を開始、五九年十月、移住地全域の購入を完了している。六〇年八月二日に、日本からの第一陣移住者として二十六家族が入植。昨年十月の実態調査では、約一万人のピラポ人口の一割以上を占める千二百人が日系(約二百三十家族)となっている。