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繊細な味を楽しんで=「東麒麟」吟醸版=4千本限定で発売

2005年7月28日(木)

 東山農産加工(サンパウロ市、岩崎透社長)は二十六日、日本酒「東麒麟」の吟醸版(七百四十ミリリットル)の販売を始めた。あきたこまち種「弥勒米」(ウルグアイ産)を五〇パーセントまで精米して醸造、初仕込みは四千本限定となる。来社した尾崎英之取締役副社長らは「低温発酵でじっくりと熟成させた。吟味した酒の繊細な味わいを楽しんで欲しい」とPRしている。
 店頭価格は三十から四十レアルの間を予想。八月初旬からサンパウロ市内の大手スーパー、日系食材店などで売り出される見込み。次回の生産時期については未定だが、市場の反応を見守りながら、「年内にもう一度仕込みたいと思っている」(尾崎副社長)。
 一九三四年創業の同社が吟醸酒を手掛けるのは、これが初めてではない。九七年から九九年まで製造していた経緯がある。
 わずか三年の「短命」に終わったが、その後の日本料理ブームを背景に消費者の底辺が拡大。ワンランク上の日本酒を期待する声が高まったことが「再挑戦」の背景にはあるという。
 また、九七年後半以降、吟醸酒造りには欠かせない良質の「弥勒米」を使用、最新設備の新工場が一昨年に落成し、弾みがついた。
 待望の吟醸版復活について、製造責任者の廣田徹取締役は「五〇パーセントまで精米した。これは日本では『大吟醸』の枠に入る。酵母も日本から輸入したもの」と語り、新製品のクオリティーに自信を示した。
 尾崎副社長は「七十年のノウハウと歴史、歴代技術者の努力の結晶がここに詰まっている」と話した。
 ボトルはブラジル人消費者を意識し、ワインのボトルを利用。「常温から少し冷やして、吟醸感とリンゴに近い香りを楽しんでもらいたい」という。