「やばい」は俗語であり「危ない」と云うような意味合いを持ち辞典によっては「もと、盗人などの隠語」としている。余りいい言葉ではないし、きちんとした場所などで使うのは避けた方がいい。ところが、今の若い人々は、「すごい」や「おいしい」「すばらしい」を「やばい」と語るのだそうだ。10代の71パーセントが、こうした新語派である▼言葉は時代や社会背景によって変化するものなので流行語や新語を悪いと極め付けるわけにもいかない。日本語にも奈良や平安の頃の言葉もあるし、これは今、話したり綴っているものとはまったく異なると云ってもいい。だが、むやみやたらに新しい語が生まれてくるのは如何なものか。「ら抜き」とかが一世を風靡し、これも今や正しい日本語になったらしいけれども、熟年組には,どうもーである▼新語の「やばい」の語源と云うか、何から生まれたのかもわからないが、同じような言葉には「うざい」がある。「じゃまでわずらわしい」「目障りだ」の意味らしい。新しい国語辞書には「うざったい」の変化したものと説明しているが、当然ながらーご老人らの理解を超える▼これらの新語が、正しい日本語として定着するのかは疑問ながら、こうした言葉の中から新しい語が生まれ育って行くのかも知れぬ。今の標準語は、江戸の商人言葉を基準にして作られたものだが、これが難行苦行したらしい。言葉と云うのは、こんなに難しいのだからやれ新語だと騒ぐよりもきちんとした日本語の方が先だろうに。 (遯)
05/7/26