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自らPTの人柱に=受給者については証言拒否=黙秘と冷笑に委員いらだつ

2005年7月22日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】労働者党(PT)の前財務担当デルービオ・ソアレス氏は郵便局CPI(議会調査委員会)の証人喚問で二十日、党の裏帳簿は独断で作成した、私個人の責任であるとし、裏金受給者について証言を拒否した。CPIの質問のほとんどに対して、黙秘と冷笑に終始し、委員会をいらだたせた。広告業者ヴァレーリオ氏を通じて引き出した銀行融資三九〇〇万レアルは、同氏と前財務担当二人の責任で用立てし、党は無関係であると公言した。
 最高裁から人身保護令の適用を受け不罰特権が認められたPT前財務担当のソアレス氏は、自己に不利と思われる質問には黙秘権を行使した。裏帳簿にまつわる全ての責任は自分個人にあると、同氏は政治危機を一身に背負う大団円をCPIで演じた。
 同氏とヴァレーリオ氏が立案した資金調達のシナリオは、二人だけの秘密協定であって党は一切関知していないという。CPIをからかったような同氏の証言に、委員会は白けた。裏帳簿の受給者について同氏が証言を拒絶したので、CPIはさらに混迷した。
 同氏の証言によると、ヴァレーリオ氏は支払いの準備だけで、支払いは行っていない。同氏が指名した人物に、ヴァレーリオ氏は資金を渡しただけという。資金調達の経緯や議員への支払い形式は一切、明かさない。ジルセウ前官房長官は検事総長に裏帳簿を認めたが、同氏は前官房長官に報告したことはないと否定した。
 前財務担当の冷笑は、ロシアの指導者スターリンの微笑だという。スターリンはクザール警察の拷問を受けたとき、このように冷笑したとされる。同氏は郵便局CPIで質問攻めを受ける中、郵便局に関する質問はたったの二つで、後は的外れなものばかりだと述べた。同氏は雄弁家ではなく、発音にも癖がある。
 PTを除名されたエロイーザ・エレーナ上議(自由社会党=PSOL)は、除名に加担した前財務担当が大統領にも党執行部にも了解を得ず、独断で裏帳簿を操作したとは茶番劇だと糾弾した。牛の群を渡河させるため、自らピラニアの餌食になることを志願したらしい。
 エレーナ上議は「何を見返りに約束されたか知らないが、全員の罪を一人でかぶるのはやめなさい。刑期が終われば裏切られ、放り出されるのがオチだ」と忠告した。前財務担当は一九九八年の上議選に陰ながら同上議を支援したと抗弁した。同上議は、盗んだ金で選挙費を支援したのかと皮肉った。
 同上議と同氏の間には怨恨がある。PTが二〇〇三年、同上議の除名を討議したとき同氏はPTの金庫番として重要な地位にあった。最終決定で同氏は上議追放へ票を投じた。社会保障制度改革で政府案に造反した、同上議の追放を促す運動を前財務担当が行った。
 前財務担当がCPIで黙秘作戦に出た二十日、上程者セラグリオ下議はローマ帝国の元老キケロの言葉を引用し、ラテン語で朗読した。「カチリナ、いつまで逆らうか。我々の忍耐には限りがある」と。映画スパルタカスのモデルだが、ブラジルの将来が改善されるかは前財務担当の証言にかかっているとした。