7月20日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六月十九日】中国やインド経済が好調に成長する中、低迷するブラジル経済についてサンパウロ州工業連盟(FIESP)は十八日に次のように論評した。八〇年は三カ国とも、スタートラインに並んでいた。それが二十五年後の今、なぜブラジルは遅れを取り、益々差をつけられているのか。
二〇〇五年度経済予想成長率は中国が一三・六%、インドが六%。それなのにブラジルは、わずか二・五%なのだ。FIESPは経済成長政策と技術革新の点で比較調査を行った。
ブラジルが優るのは人材だけ。しかし、雇用創出で中国やインドはチャンス提供が敏速だから、ブラジルは宝の持ち腐れである。給与水準はブラジルよりはるかに低いが、確実に昇給している。
三カ国間の競争でブラジルが最も不利とされるのは、インフラの遅れである。国内総生産(GDP)に対する税収が、ブラジルは三六・八%、中国は一五%、インドは一五・八%。ブラジル国民は、中国とインドの倍額を税金に払っている。その他、中国インド両国には経済戦略部門への投資奨励政策が数々実施されている。
もう一つの不利な点は中等教育で、政策の効果が上がらず、つまずいている。八〇年代の金融危機で中印両国の立ち上がりが早かったのは、両国の国民がいち早くグローバル経済に対応したからだ。ブラジルは過去三十年間、この点で大きな遅れを取った。
ブラジルでは金融危機が、レアルプランを生み出すに至った。同プランが経済成長と産業の近代化につながるものであれば、完全と言えた。同プランの発案者が〇四年五月十一日、新経済政策と輸出奨励策を打ち出したが、期待する目標には程遠かった。
ブラジルは税制と融資でも、中印両国に遅れている。ブラジルの設備投資はGDPの二〇%に対し、インドが二六%、中国が四〇%なのは低率税制と低率金利による融資が普及しているため。問題は、低い経済成長率だけではなく、政治の貧困を解決しなければならない。