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手作りの味も大好評―日本祭り

7月19日(火)

 県人会以外の「特別参加組」が並んだブースにも人出があった。グァタパラ移住地、弓場農場、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)、そしてアルゼンチン拓殖協同組合(亜拓)の手作りの味や、地元ならではの産物が評判を集めた。
 イラッシャイ、イラッシャイ―。若い日系人たちの威勢のいい掛け声を聞くことが出来たのは、初参加のグァタパラ。話題の山クラゲを使ったキンピラや味噌を主力商品に、レンコン、おかき、ゆず味噌、福神漬などを揃えた。
 農事文化体育協会の新田築さんは「天候も良かったし、想像以上にお客さんが集まってくれた」。農作業に用いる箕(み)の形をした珍しい笹箕(ささみ)寿司は六百食が完売。日本でも食べる機会の少ない郷土料理に出会えるのも、この祭りの「醍醐味」だ。
 四回目から出店を続けている弓場は、かりんとう、シイタケの佃煮、味噌(生と油タイプの二種)を、七百キロ離れた農場から十八人が駆けつけ販売した。創作料理の餅シュウマイにも初挑戦。弓場ブランドはすでに日系社会で広く浸透しており、商品を求める客が引きも切らなかった。
 グァタパラやアルゼンチンから来た若い日系世代との交流は、「忙しくて時間が取れなかったが、来年も祭りで会おうとしっかり約束しました」と、四世の弓場醍醐さん(21)。
 今年から入場料が徴収され、開催前は来場者の減少を心配したが、「お金を払ってでも日本文化に親しみたいと思う人がたくさんいるのにはとても驚いた。感動した」と話した。
 亜拓はアルゼンチン・メンドーサ産のワイン「サンタ・ジュリア」を八百本持参したほか、国民的スナックのエンパナーダ、クッキーなどを販売。特に、エンパナーダが人気を呼び、二日目で売り切れ。七人で接客し、大忙しだった。
 一九三五年に設立された伝統ある同組合。副理事長の文野和義さんは「昨年に続いて二度目の参加です。教訓を生かし、来年もぜひ」と意欲を見せた。
 おにぎり弁当や餅が非日系人にも好評だったADESCは、「最初は会場が変わり不安で、売れ残っても仕方がない気持ちも少しあった」(栖原マリーナさん)。が結果は、弁当七百食と、毎日三十キロ用意した餅も飛ぶように売れた。
 出店三回目の今年は、花と手芸品も売り、日替わり当番で二十五、六人で対応した。「入場料、駐車場代を支払ってまで多くの来場者があったのは本当にビックリ」