7月15日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】フランス訪問中のルーラ大統領は十三日、パリで開催され百人の企業家が参加した昼食会で、ブラジルの金利は今年下半期にも低下し始めることを強調した。
またフルラン産業開発相も同日記者会見で、今年の年間予想インフレ率が五%台に止まり、目標を達成する見通しが示され、下半期には金利が下がり始めるだろうと述べ、金利低下の予測は確かなものであるとした。しかし、来週の通貨政策委員会で基本金利(Selic)が引き下げられるかどうかについてはコメントを避けた。またルーラ大統領と同様、経済状況が現在政治危機の影響を受けず、好調を維持していることを訴えた。
ルーラ大統領は同日、パリ市内四カ所で演説を行った。ソルボンヌ大学では「国内の農業生産者保護のため、毎日一〇億ドルの輸出や農家への補助金に費やされているのは解せない。世界中の多くの貧しい人々に提供される支援より、一頭の雌牛への補助金が多いのは非人道的で、理に適った事ではない」と先進諸国の保護主義を強く攻撃し、発展途上国の輸出障壁となる「ヨーロッパ農業政策」の強く擁護するフランス政府を暗に批判した。
同大学で大統領は三十五分かけて演説原稿を一気に読んだが、その中で汚職については触れなかった。同大学の教授が汚職、失業、犯罪がラテンアメリカの民主主義の障害となるかどうか質問したが、大統領はこれを無視し、ベネズエラ、アフリカ、ハイチ問題へと話を逸らした。
バスチーユ広場で催された「フランスでのブラジル年」のショーで、ジル文化相から舞台上に呼ばれた大統領は、五万人の観客の「ルーラ!」コールの中、「ブラジルは空間でなく、人々のおかげで偉大なのだ」などと即席に演説し、上機嫌でホテルに向かった。