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グシケン長官を降格=官房長官の下へ=「政府、家族、自分にとり最善」=人権省も法務省が吸収

7月14日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ルーラ大統領は十二日、グシケン広報長官が連邦政府機関にまつわる疑惑の責任を取り、ロウセフ官房長官の管轄下へ配属することを決定した。同長官は告発の的とされたことで、閣僚扱いから降格となった。さらに降格の省庁は、人権省が法務省の管轄下に配属。ミランダ前人権相は、ミナス州PT支部長へ挑戦。産業開発審議会は省扱いとし、政調会長を管轄下へ配属。レベロ政調会長とカンポス科学技術相は下議へ戻る。
 内閣改造の一環として広報局と人権省の降格、レベロ政調会長とジュカー社会保障相、ジェンロ教育相、カンポス科学技術相の離任が発表された。ルーラ大統領は、刎頚の友ともいうべきグシケン氏をロウセフ官房長官の配下に据えた。
 残る内閣改造は、フランス外遊後に行う。ヴァグネル氏の産業開発審議会は、法制審議会や政治調整部を統合し省へ昇格。科学技術相には、学術研究財団(FINEP)のレゼンデ理事長が就任。社会保障相は空席だが、国庫局のレヴィ長官が有力視されている。最高裁の審理対象となっているメイレーレス中銀総裁も俎上に上がるようだ。
 教育相の後任は、ハダジ教育次官が有力視されている。また、水産庁は農務省と統合される模様。他に次期選挙へ立候補を表明しているインフラエロのウイルソン総裁とペトロブラスのドゥットラ総裁が、辞任する。大統領は、省庁と信任職の削減を考慮しており、少数精鋭主義が採られるらしい。
 大統領府公報によれば、政府広報にまつわる告発で、グシケン氏は疑惑者リストに名を連ねることとなった。しかし、政府の広報戦略と作戦立案は、同氏が従前通り行う予定。同氏は、マリーニョ労働相の就任式には出席しなかった。
 同氏は大統領府の基盤強化のため、ルーラ・ファミリーの一員として残る意向を表明した。これは進退伺いを提出した七日、大統領と懇談の結果決めたもの。年金基金との契約便宜や義弟発行の機関紙への広告掲載に関する告発は、官房室が扱うことになった。同氏は、局降格とともに一切の権限も失うことになる。
 同氏は記者団に対し「ようやく裸になれた」と述べた。これが政府のため家族のため、自分のために最善だという。同氏はマスコミの袋叩きに遭い、呻吟の日々を送ったと述懐した。官職にあった間、いかなる契約書にも職権を利用した影響力の行使はないと誓った。
 連邦統制局のピーレス長官に対して同氏は、官房室管轄以外の契約締結については徹底的な監査を命じ、広報局関係では特別監査官を指名するよう要請した。政府公報を扱う報道機関に対しても、ゴールデンアワーを公報に充当するよう要請した。また同氏は二〇〇五年中に、大統領付報道官と大統領府報道室を統合すると発表した。
 大統領は閣議後、政治危機で受け身にならず、再選に挑戦する意気込みで対処するよう各自の奮闘を促した。野党は大統領の再選断念に賭けているようだが、そんなことに屈しないと大統領は宣言した。PTは政治戦略の変更を余儀なくされただけだという。