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現金不法所持でPT役員逮捕=パンツの中に10万ドル=ジェノイーノ党首失脚の陰謀か

7月12日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九、十、十一日】セアラ州の労働者党(PT)地方役員が八日、サンパウロ市コンゴーニャス空港で現金不法所持の疑いで連警に現行犯逮捕された。現金は二〇万九〇〇〇レアルがアタッシュケースの中に、一〇万ドルがパンツの中に隠されていた。
 この役員は同党のジェノイーノ前党首(一連のスキャンダルの責任で、十日の党執行部会で解任)の実弟である同州ギマリャンエス州議の秘書を兼任していた。同州議は関与を否定、秘書がサンパウロ市に来たことも知らなかったと語った。連警は個人の金ではなく背後に指示者がいると見て、PT内部も含め、捜査する方針を打ち出した。
 同党主流派の国会議員の一人は、党首の去就を決定する十日の執行部の前日に発生した逮捕劇は不自然だと指摘する。結局この逮捕が決定打となって、党首が解任されたことから、空港でのX線検査で容易に発覚するのを承知でやらせたもので、同党反対派による党首追い落しの「ヤラセ」工作の疑いを持っている向きも多い。さらに連警に密告があったことも一層なぞを深めている。
 ルーラ大統領も事件を重視、バストス法相に徹底解明を命じたという。執行部会に出席したマルタ前市長も「汚水の最後の一滴までしぼり出すべき」とのコメントを発表した。一連のスキャンダルで大揺れのPTでは新たな疑惑で頭を抱えている状態だ。
 連警の調べによると、秘書は八日に来聖し、ファリア・リマ大通りのホテルに一泊し、翌九日午前十一時発のブラジリア経由フォルタレーザ行きの便に搭乗する所を逮捕された。このため現金を運ぶための目的のみで来聖したとみられている。男は農産物の売買で得た金だと説明したが嘘と判明、その後は黙秘権を使って口をつぐんでいる。
 ギマリャンエス州議によると、秘書は政治が担当で、会計や金銭関係には一切タッチしておらず、またかかる莫大な金を所持する立場にないと説明している。同州議は党執行部の地方代議員だが、同日付で進退伺を提出した。