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コラム 樹海

 都議選は民主躍進・自民後退で幕を引く。民主党は13議席増の35議席を獲得したのだから大勝と云っていい。自民党の劣勢は選挙前から予測されていたのであり、4議席減はそれほどの驚きではない。むしろ、公明党の23候補が全員当選した現実に目を向けるべきだろう。公明党は藤井富雄最高顧問らが引退し新人9人が出馬しての当選であり注目したい▼共産党も敗戦。社民党は議席なしの大敗であり、都市は革新系が強いの「神話」は脆くも崩れ去ってしまった。もはや土井たか子氏の演説に耳を傾ける人は少なくなり自民党と対立した旧社会党の力は失せたと云っていいのではないか。共産党の退勢も否定できない。看板の党機関紙「赤旗」の読者数も急減している。もう政治の世界も左右両極のイデオロギー論争は過去のものとなったと見ていい▼さて―民主党の勢力拡大は認めるにしても国政と同じく都議会にも二大政党が訪れるかとなると、必ずしも同意できない。民主党には岡田克也氏という党代表がいるけれども、鳩山由紀夫氏や菅直人氏のようなうるさ型がいるし横路孝弘氏という左翼革新系の人も多い。流転型政治家とでも称すべき小沢一郎氏は型破りなので何をやり出すかは誰にもわからないの危惧も潜んでいる▼最も心配なのは、日本の安全保障についての考え方が、一本に纏まっていないことである。旧社会党系が多いし、これは外交にも強い影響を与える。むしろ、23議席を持つ公明党の動きこそが都政の行方を左右するのではないか。このように見れば、保守系の勝利、革新敗北と捉らえるべきが筋と読みたい。  (遯)

05/7/12