7月9日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】汚職告発による政治危機が深刻化する中、政府と野党の一部は大統領、知事、市長すべての再選禁止の可能性について検討を急いでいる。禁止になれば、ルーラ大統領は〇六年選挙を戦う必要がなくなるからだ。政府と労働者党(PT)からは、バストス法相と元PSDB党員のセイシャス下議が、野党からはカルドーゾ前大統領、マガリャンエス上議などが再選禁止の議論に加わっている。
ブラジル社会民主党(PSDB)と自由戦線党(PFL)は、国益に関わる政策の議論を継続し、たとえ政治危機が悪化してもルーラ大統領に任期をまっとうさせる方向を模索している。汚職の解明は進め、ジルセウ前官房長官など重要人物の公職追放は視野に入れるが、大統領は追放せず、少なくとも残り一年半は現政権を維持させる。裏金告発と大統領は切り離す必要がある点で両党は考えが一致した。
野党の有力者と企業経営者らは、大統領を辞職に追い込んだ場合、その後継者について懸念している。成功した企業家で政界では新参者のアレンカール副大統領はやりたがりで、旗印に掲げている金利引下げを強行し、現在唯一安定を保っている経済状況を危機に陥れる可能性があるとみられている。副大統領の次の後継者はカヴァルカンチ下院議長だが、これは仮定すらされていない。
再選禁止をめぐっては、誰が大統領を説得するかが問題となっている。政治危機は認めながらも、経済政策の成果を強調し、内閣改造で政権基盤を強化すれば、告発攻勢は四カ月後の次回国会までしか続かないと大統領はみている。野党はバストス法相に「猫の首に鈴をつける」役割を期待している。