7月7日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】金融審議会(COAF)は五日、郵便局汚職CPI(議会調査委員会)で裏金の元締め告発を受けたヴァレーリオ氏の広告企業が、一九九九年から二〇〇五年までの六年間に一二億五〇〇〇万レアルに上る取引を行ったことを明らかにした。その内、四億五九〇〇万レアルは出所不明の資金だった。また同氏は、ブラジル民主運動党(PMDB)の議員が役職を得るための関門になっていたとされる。PMDBが官界で劣勢に追い込まれたのは同氏の影響だという。
ヴァレーリオ氏の経営する広告企業が六年間にブラジル銀行で行った取引額は、預金八億三六〇〇万レアル、クレジット四億一九〇〇万レアル、総額一二億レアルに達した。COAFは中銀とブラジル銀行に、これら資金の流れの解明を要請した。
野党は同氏がコネを使い、数々の大口広告契約を多数の公団と結んだとみている。預金の五二%は、出所不明の資金である。九八年制定の資金洗浄法では、全銀行は一万レアル以上の取引を内容明細とともに中銀へ報告することを義務付けている。出所不明の資金についてはCOAFが即座に検察庁へ回す。
同氏の預金から引き出された一〇万レアル以上の小切手は、ルラール銀行だけで総額二一〇〇万レアルに達した。他に、ABNアムロ銀行やブラデスコも調査される予定。汚職や公金横領で生まれた資金は、マネロン(資金洗浄)されたと検察庁はみている。
無党派のエレーナ上議が実際の取引は、報告をはるかに上回り、COAFの報告書はズサンなものだとした。銀行は大口顧客の実態報告をしない。COAFに上がって来る資料は、泥水の上澄みに過ぎない。大手銀行自身が不正契約に関与しており、中銀へ提出する資料は事件が表沙汰になった後のねつ造報告だと述べた。
PMDBリーダーのジョゼ・ボルバ下議は五日、ヴァレーリオ氏の広告企業SMPBの女性秘書に同氏との接触を指摘されたことで、火に油を注ぐような発言を行った。PMDB所属の議員が政府の役職に就く際に同氏が口をはさんだと訴えた。役職への就任に先立ち、同氏の企業とPTとの間で妙な約束を内諾させられたという。
同下議は、広告業者との直接対話や裏金享受、便宜供与は否定した。しかし、PT幹部議員との接触には同氏がつねに立ち会い、すべての役職に条件を付け、PMDBへの資金供与では細部にも口出しをしたと同下議は述べた。
同氏は単なる一民間人に過ぎないのに、役職の決定に参加し、契約締結と裏金捻出のために人事を有利に誘導したと同下議は発言した。下院議長は事実確認のため、下議の発言を下院監査委員会と倫理委員会で審理するよう命じた。PMDBは同下議を軽率と判断し、下院リーダーから降ろす決定をした。
上下両院は五日、裏金配布CPIの設置案も可決した。プラナウト宮は下院のみの設置を試みたが、失敗した。CPIは上議十七人と下議十七人で構成され、期間は百二十日となっている。これで支持票買収の疑惑も徹底解明されるらしい。