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日本祭りに向け結束=農協婦連、年次親睦会で=野原さん講演=「理論と実行が合致」

6月28日(火)

 ブラジル農協婦人部連合会(ADESC、吉泉美和子会長)の第十二回親睦会が、二十二日、サンパウロ市内のBuffet YANOで開催された。集まった約百五十名の会員が、七月十五日~十七日にサンパウロ市で開催される第八回日本祭りに向けて結束を固めて行動することを確認した。招かれて講演を行ったサンパウロ州農村労働者連合の指導員・野原哲郎さんは「州内各地を廻っているが、理論と実行が合致している組織は他にない」と冒頭に述べた。そのひと言が、第三者の目にも正論であることが理解できた。
 参加は、ヴァルジェン・グランデ・パウリスタ、インダイアツーバ、トゥルボランジア、タツイ、ピエダーデ、ピラール・ド・スル、カウカイア・デ・アウト、ジャカレイ、カッポン・ボニート、レジストロ、および、大サンパウロ圏からの会員。
 午前九時に始まった親睦会はママイ・パワーで終始、熱気に包まれた。野原講師の講演は「協力の知恵」というテーマで、日本語とポ語でユーモアを交えながら行われた。「ネオ・リベラリズムの概念は自己中心だが、人間の本能と魂は協力・協調を向いているので、家族でも組織でも協力を基本とすれば幸せにつながる」という。
 その上に信用が醸成されるので、農業者が生きる選択肢の一つが生産物の直販だ、と説いた。この選択肢はまさしくADESCが選んできた道でもある。会員同士の協力で、サンパウロ市のSBC病院や居住地で実施してきた農産物・手づくり食品・手芸品などの直販フェイラは、十年を経た現在でも消費者から歓迎されている。野菜などの農産物は化学肥料や農薬を殆ど使わず、新鮮なまま家庭の台所に届いているのが特徴だ。消費者の信用は確実に築かれている。
 親睦会会場に設置されたテーブルには参加地毎の会員の自信作(野菜、果物、餅米、小豆、味噌、饅頭、花、菓子、ハチミツ、手芸品、など多彩)が並び、参加者同士の直販が行われた。会員にとってはこれ自体が腕と技の競い合いの場でもある。より良いもの、より美味しいもの、より健康的なもの、を作るための魂のぶつかり合いでもある。同志(仲間)であると同時に競争相手でもあるのだ。
 ADESCは『大豆食キャンペーン』を主導してきたママイたちの組織だ。吉泉美和子会長は「日本祭りに向けた準備は着々と進んでいますよ。今年は新しい大豆食品も出しますのでご期待ください」、と〃緑の広場〃の中核を担う自信をうかがわせている。
 来賓として出席したコチア青年連絡協議会の高橋一水会長、サンパウロ農協の田畑稔会長(第八回日本祭り実行委員長)、ブラジル農業拓殖協同組合中央会(農拓協)の近藤四郎会長、全国農業拓植協同組合連合会(JATAK)の馬場光男サンパウロ事務所長、ブラジル日本文化協会の小川彰夫副会長、SBC病院を代表した新川クリスチーナさんらが異口同音に激励と期待を表明した。
 Buffet YANO経営者の矢野アメリア春子さんが「お客さまにいかに美味しい料理を食べていただけるか、毎日苦心しています。これは家庭でも同じことで、女性にとって共通のテーマでしょう。今日は皆様の意気が私の励みにもなりました。(この店を)会場に選んでいただいて本当に嬉しいです」と述べて親睦会が終了した。
 次は日本まつり会場で元気なADESCママイたちの奮闘に期待したい。