6月25日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】国内公営企業で百八〇億レアルのダントツ利益を誇るペトロブラス(石油公社)が、現政権になってから、スポンサーや宣伝広告費が三培に急増したことが、関係者の間で注目されている。現在捜査のメスが入れられている郵便局や再保険院の汚職疑惑や労働者党(PT)の裏金スキャンダルに加えて、今度はペトロブラスを舞台にキナ臭い煙が立ち上りはじめた。
郵便局疑惑を調査する議会調査委員会(CPI)で先日、グシケン広報長官が郵便局の広告・宣伝に直接関与していたとする爆弾証言があったばかりだが、ペトロブラス社員によると、同長官は同社のリオ本社にひんぱんに出入りし、会議に出席していたという。また同社の宣伝活動費予算が同長官の承認を受けていることから、両者間のゆ着に対し、うがった見方をする向きが多い。
ペトロブラスの宣伝活動費は前政権最後の年二〇〇二年に二億五二〇〇万レアルだったが、今年は七億レアルの予算が承認されている。同社によると広報局の指針に従ったもので、利益を社会に還元する立場から、広告に限らずイベントのスポンサーも積極的に行っているという。
中でも恩典にあずかっているのがPTの母体といえる労組で、資金源となっている。統一労組(CUT)は昨年の創立二十五周年で五〇万レアル、今年の五月一日のメーデーに五〇万レアルの資金援助を受けている。フォルサ・シンジカル労組もメーデーに二五万レアルの供与を受けた。これにより広報部員も前政権時代の百二十八人に加え、二百三十人を増員した。このうち百九十二人は第三者である業務委託会社の社員だった。
ペトロブラスの業務委託は、公社の立場でありながら入札は行われておらず、広報局の独断で決定している。その実権を握っているのがサンタロザ部長で、重役陣を尻目に社長やグシケン長官と直談判できる程の権限を有している。社員の間ではグシケン長官が任命したとの噂があり、これが同長官とペトロブラスのゆ着のパイプと見られている。
同部長はこの噂を否定、社長ともども同社の作業員時代からの労組活動を評価されて入社したものだと説明している。また宣伝活動費の急増は、国際化に伴った業務拡大のもと必要なものだとしている。