6月25日(土)
十二回目を迎えた日本のJAグループ(社)家の光協会(池崎昭夫会長)が主催する「世界こども図画コンテスト」で、今年もブラジル日系子弟たちが輝かしい能力を発揮した。金賞を受賞したのはエリック・シンジ・シノズカ君(八歳、たんぽぽ学園)の『雨の中で遊ぶ』だ。銅賞には『壷と果物』を描いた田草川ナタ-リアさん(十一歳、バルゼン・グランデ日本語学校)が、佳作の二点は太田マリア-ナさん(十二歳、たんぼぼ学園)の『私の町の公園』と木下エリカさん(十五歳、椎の実学園)の『深海の魚たち』だ。
この図画コンテストは、国際ライファイゼン連盟、国際美術教育学会、外務省、文部科学省、農林水産省、NHK、全国造形教育連盟が後援し、全国農業協同組合中央会や農林中央金庫などが協賛している由緒ある事業となっている。
昨年は鈴木エリカさん(当時八歳、エスペランサ学園)が金賞に輝いた(本紙・〇四年六月二十六日報道)ように、ブラジルの子供たちの感性の豊かさが世界的に認められてようだ。
第十二回コンテストには、日本を含め五十七の国と地域から四万二千点を越す作品が寄せられた。その中から金賞二十点、銀賞四十点、銅賞六十点、佳作八十七点が選ばれた。その中に入るだけでも全体の〇・五パーセントほどの狭き門だ。金賞は針の穴を通すほどの難関だ。子供たちが持つ潜在的な能力を引き出すだめに日常から指導の手法を考え、努力している日系教師たちの努力こそ金賞に値する、と言っても過言ではないだろう。
第一回目からブラジルの子供たちの図画を家の光協会に送っているのは、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC、吉泉美和子会長)。今回は八百余点の応募作品の中から、画家の金子謙一さんらの協力を得て二百二十五点を選考して日本に送った。担当した飯田正子副会長は「十年以上も同じようなことをしているようでも、厳しい審査の結果、今日のような知らせが日本から届くと、我がことのように嬉しいです。家の光から『ブラジルの子供たちの絵は伸び伸びしている』というコメントもいただいた。これからも毎年続けていきたい」と喜びを述べている。 「先生の指導で教室で下絵を描いた。それを家に持ち帰って、頭にイメージを浮かべながら仕上げた(受賞は)本当にうれしい」は金賞を受賞したエリック君の率直な感想だ。
賞状と副賞は、六月二十二日、サンパウロ市内の日系食堂で開催されたADESCの年次懇親会で受賞者に手渡された。受賞した子供たち、おめでとう。更なる向上を期待。