6月22日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ市会計監査院は二十日、マルタ前市長の二〇〇四年度サンパウロ市決算報告書を審議した結果、正当なものとして承認した。四人の監査吏が表決の結果、賛成三、反対一の過半数となった。この後、市議会にかけられ正式承認となるが、五十五議席の三分の二に相当する三十七票を得なければならない。
二〇〇四年度の決算報告書は、地方行政の財政支出を収入の二〇%以内に制限する支出制限法に違反する疑いが持たれ、上院でもこれを追及する動きが出て注目されていた。また同法では次期政権に移行する際、債権に相当する現金を残しておくことが義務づけられているが、セーラ現政権はこれを不履行だと告発していた。
これに対し賛成票を投じた監査吏らは、マルタ政権の四年間の収入は四二四億レアル、支出予算は四二六億レアルだとした上で、このうち三億三〇〇〇万強はピッタ前政権の繰越金であり、実質的に一億二七七〇万レアルの黒字を計上したと見ている。
いっぽうで反対派の一人は、二〇〇四年度初めの時点で減収が明らかになったにもかかわらず支出を抑えることなく、しかも年末の支払いを全て停止して次期政権に委ねたのは違法だと主張した。
議会での承認を控えているものの、マルタ陣営では早くも勝利宣言を出し、喜びを分かち合っている。マルタ前市長は現政権の告発はこじつけだとした上で、今年に入り六〇億レアルの収入があり、その半分を投機に回して利ざやを稼いでいるのは我々の布石のおかげだと強調している。いっぽうでセーラ陣営は会計監査院の報告書を見なければコメントできないとの見解を示した。
これまでに二市長の決算が会計監査院にハネられている。エルンジナ元市長時代の九〇年から九二年の三年間で、規定の支出を三〇%上回る支出で予算法違反となった。ピッタ元市長は九九年に同じく支出オーバーと不規則支出を指摘された。しかし、いずれも何故か議会の承認を得た。