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サンパウロ市議会でもPT買収工作=社会大衆党幹部が告発=前市長支援の見返りに400万R$

6月18日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】国会で今、郵便局や再保険院汚職事件と並び、労働者党(PT)による買収工作のスキャンダルが明るみに出て、議会調査委員会が調査に乗り出したが、サンパウロ市議会でも同様の手口が行われていたことが明らかになった。
 社会大衆党(PPS)幹部が告発したもので、それによると昨年はじめにPTから当時のマルタ市長が議会に提出する動議に賛成票を投じる見返りに、四〇〇万レアルを供与するとの申し出があったという。PPSのサンパウロ市支部長は「党は売り物ではない」と断ったとのこと。この告発は同党のデニーゼ下議(リオ選出)により取り上げられ、調査の上、調査委員会にかけられる。
 買収工作は二度にわたって行われた。最初はジャルジン区のパン屋で、PTサンパウロ市支部長とマルタ政権のNO2といわれたガレタ報道局長(当時)、PPS党支部長と出納責任者の四人で行われた。席上、PT側はPPS市議二人の抱き込み料として四〇〇万レアルを申し出たが、PPS側が拒否して物別れに終わった。
 第二回目は市内のホテルで前出の四人に加え、昨年の選挙でマルタ候補の副市長候補として出馬したルイ・ファルコン氏も同席した。この時は、PT党本部のデルービオ財務担当理事の承認を得たのですぐ金は出せると説得した。PPS支部長は単なる市議の抱き込み策ではなく、十月の市長選挙の買収工作だと直感し、再度申し出を断ったため、この話は立ち消えになったという。
 PTの買収工作は、郵便局や再保険院汚職の渦中にいるブラジル労働党(PTB)のジェフェルソン党首により暴露されてスキャンダルに発展しているが、それに追いうちをかけるようにサンパウロ市でも火の手が上がり、PT幹部は動揺を隠せないでいる。
 PTBは連立政権の一翼を担っていることで、来年のルーラ大統領の再選に向けた地盤作りのために、PTが資金の提供を申し出たとみられている。ジェフェルソン党首によると、総額二〇〇〇万レアルの申し出があり、このうち四〇〇万レアルは受取ったという。
 問題は資金の出所で、調査委員会ではアメリカのマイアミのトレード・リンク銀行にPTの隠し預金があるとみている。現にPT側は、外為業者が逮捕されてPTBへの残りの資金の調達が困難になったと明かしたという。この外為業者は二〇〇三年に不法送金で逮捕された、通称トニーニョ・バルセロナと見られている。