6月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】一〇〇万ドル以上の資産を有する、言わゆる百万長者が昨年、世界中で八百三十万人に達し、前年対比七・三%の増加となった。ブラジルは〇三年対比七・二%の増加で、九万八千人を数えた。 アメリカの調査機関が発表したもので、ラテンアメリカでは前年対比六・三%増の三〇万人となり、資産総額は七・九%増の三兆七〇〇〇億ドルになった。このほか大陸別ではアフリカが一三・七%増の十万人に、北米は九・七%増の二七〇万人に、中近東は九・五%増の三十万人に、アジアは八・二%増の二百三十万人に、ヨーロッパは四・一%増の二百六十万人にそれぞれ達した。
アメリカは九・九%増で二百五十万人に、カナダが八・三%増の二十一万七千人となり、このため北米大陸が史上初めてヨーロッパを抜いてトップになった。ヨーロッパのフランス、ドイツ、イタリアが景気低迷に加え、失業の増加や税金の高騰に直面しているのが、富豪の壁となった。
調査ではこれら百万長者を三階級に位置づけている。一〇〇万ドル以上五〇〇万ドルまでの資産家は七七百四十五万人、五〇〇万ドルから三〇〇〇万ドルが七十四万五千人、そして三〇〇〇万ドル以上の「ウルトラ富豪」はわずか七万八千人となっている。
これらで判る通り、百万長者の絶対数は少なく、世界人口のわずか〇・二%にしか過ぎない。しかし、総資産は世界流通貨幣の二五%に相当する三〇兆八〇〇〇億ドルに達し、一握りの人間が世界経済の四分の一を牛耳っていることが浮き彫りとなった。
昨年の地域別での資産は前年対比で、西南アジアが八・五%増の七兆二〇〇〇億ドル、中近東が二八・九%増の一兆ドル、アフリカが一七・三%増の七〇〇〇億ドルとなった。
調査ではブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国の頭文字を取ってBRICグループとして注目している。この四カ国で世界総人口の四一%を占めており、百万長者の八%を有しているが、二〇四〇年にはG7(先進七カ国)を抜いて経済の中心になると指摘されている。
中国の百万長者は昨年、前年対比四・三%増の三十万人に、インドは一四・六%の七万人に、ロシアは四・二増の八万八千人へとそれぞれ増加した。