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懐かしい!=60年前野球をした仲間との再会=80歳超える高齢者たち=アリアンサに集う

6月14日(火)

 「昔の仲間との再会が何より嬉しいね。みんな顔はすっかり変わっちゃったけど」。全アリアンサ青年野球大会が午前八時から、第二アリアンサ野球場で十一、十二日の二日間行われた。記念すべき六十回目を迎えた今大会には、第一回目出場者十六名がサンパウロやブラジリアなどの各地から集まった。十六名ほとんどが八十才を超える高齢。それぞれ仲間との再会を懐かしんだ。
 「野球のメッカだ」と移住地の人々に言われているアリアンサ。一九四五年に同大会が始まる以前から、弓場勇氏を中心に野球が行われていた。初期の大会に比べるとチーム数、選手数共に減少しているが、現在でもアリアンサの老若男女に愛される行事の一つとなっている。今大会は第一、第二、第三アリアンサ、弓場の四チームで試合が行われた。
 開催地である第二アリアンサの赤羽大作文化体育協会会長の開会宣言とともに開会式が始められた。
 始めにアリアンサ移住地故人の方へ参加者全員で黙祷を捧げた。次に、全アリアンサ文化体育協会会長の村井敏彦氏の代理で、尾関博里第三アリアンサ会長が「連続六十年開催という偉業は実に素晴らしい。遠方から来られた方、ありがとうございます」と挨拶した。
 島崎清同大会委員長は「この大会を築きあげた先輩に恥ずかしくない野球を見せてあげてください」と選手らを激励した。続いて、ミランドポリス市長のジョゼ・アントニオ氏、前同市長のジョルジ・デ・ファリア・マルーリ氏が挨拶をした。
第一日目は三試合行われた。試合終了後、第一回目出場者らはグローブを手に取り「昔はグローブが悪かったからその分よく練習したなぁ」、「こう見えても昔は名選手だった」と、キャッチボールを始める場面も。
午後五時からは第一回目出場者祝賀会が開催された。それぞれに記念品が贈呈され、移住地最高齢の新津英三さん(89)が乾杯の音頭をとった。「五十周年の時より大分人が減ったなぁ。どんどん皆死んでしまった。でもこうして生きてる者同士集まるのはなつかしい」とサンパウロから参加した羽田武人さん(84)は話す。
「顔は何となく覚えてるけどもう名前は覚えてない」と話す青木忠次郎さん(81)は、実に六十年ぶりに同大会に参加した。「夜行バスで来たけど友達に会えるから全然眠くないよ」と話すのは光田岩男さん(84)。
第一回大会当時は約七十人いた選手も今回集まった人数は十六人。「あんたのあのプレーは今でも覚えとるよ」、「あの当時はがむしゃらだったなぁ」などそれぞれ思い出を語り合った。
二日目も三試合行われた。第一アリアンサと弓場が決勝戦に進み、接戦の末第一アリアンサが二年ぶりの優勝を飾った。新津さんの孫である新津尚司監督は「とにかく記念すべき大会だから選手たちには一生懸命やれと言っていた」と振り返った。
第三アリアンサ監督の佐藤克郎さんは「勝ち負けではなく、野球を通じて礼儀正しさや、尊敬する心をこれからも養って欲しい」と話した。
最後にはアリアンサ応援歌を思い出し、全員で熱唱。中には懐かしさのあまり涙ぐむ人もいた。「七十周年にも是非集まりましょうね」とそれぞれ堅い握手を交わし、会は終了した。
試合結果は左記の通り。
一日目(十一日)
第一試合 第二8―12弓場
第二試合 第三6―11第一
第三試合 第一15―0第二
 二日目(十二日)
第四試合 弓場15―6第三
第五試合 第二3―15第三
決勝戦  弓場8―11第一