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米NGOがバイオ海賊行為=インジオ居住地から薬草持ち出す=マット・グロッソ州

6月10日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】連邦検察庁は八日、アマゾンのインジオ居住地でNGOグループが薬草を外国に不法に持ち出している疑いがあるとして、捜査を開始することを明らかにした。
 このグループはアメリカのアマゾン・コンセルベーション・チーム(ACT、アマゾン環境保全チーム)で、国立インジオ基金(FUNAI)がインジオから事情を聴取したところ、同チームがマット・グロッソ州にある国内最大の居住地、シングー地区でインジオのグループに毎月最低賃金相当の金を支払い、数カ月かけてインジオらが常用している薬草の分布地図を作らせたという。
 検察ではこの地図をもとに薬草を採取し外国に不法に持ち出す、いわゆるバイオ海賊行為をしていたと見ている。グループは持ち出した薬草でアロマを抽出、国際特許を取得して化粧品や薬品会社に売っていた。
 連警の捜査にともない、国会も問題を重視し、特別委員会の設置を決めた。FUNAIは同チームの居住地への立ち入りを禁止した。居住地内には無数の薬草があるが、採取には厳しい規制がある。薬草研究家のブラジル人親子が無断で研究をして居住地から追放された経緯がある程、当局は神経質になっている。一九九九年に日本のNHKがこの親子の薬草栽培のドキュメンタリーを放映したが、当局に告発されて五万ドルの罰金を払ったいきさつがある。
 ACTは財閥団体で米政府や世銀の資金を豊富に所有、ブラジルの他コロンビアやスリナムに支所がある。ブラジルではブラジリア、マナウス、マカパー、カナラナ(シングー地区の最寄りの市)に事務所を構え、これまでに二〇〇万ドルの資金が投入されている。ACTの会長は今回の疑惑を否定している。