6月10日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】ブラジルで生まれた二世や三世が、祖父母の出身国の国籍を取得して二重国籍を有するのは移民の象徴といえる。その規制や手続きに、それぞれのお国事情が反映しているが、移民の多い五カ国を比較してみた。
まず日本人は、父母のいずれかが日本国籍を有する場合、出産後三カ月以内に届け出ると承認される。これを過ぎた場合は、二十歳未満で日本在住者のみに二重国籍が与えられる。これは日本の法務省での手続きとなる。未婚の子の場合、出産前に父親が認知すること。また出産後に父母がブラジルで結婚した場合は、二十歳までに申請すれば二重国籍が得られる。
ドイツ人は両親が一九七五年一月一日以前の生れだと自動的にその子は取得できる。あるいは子供が一九九三年一月一日生まれ以前だと母方の国籍を得られる。曽祖父や祖父の出身国の国籍を得ることも可能だが、手続きが煩雑だ。
スペイン人は、両親のいずれかがスペイン国籍だと登録だけで済む。父親が二重国籍の場合、十八歳未満までに申請できる、これを過ぎれば、一年間スペインに居住すると同国法務省で認可される。
イタリア人は、父系だと三世代にわたって取得できる。母系では一九四八年一月一日生まれ以降が認められるが、家系の証明が必要。
ポルトガル人は、いずれの系統でも取得可能。さらに次世代も有効。ただし両親の苗字が違う場合は認められない。