6月9日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】フォーリャ紙が入手した政府筋の情報によると、一連の汚職疑惑により大統領府は、二〇〇六年大統領選挙でのルーラ大統領再選に黄信号が灯り始めたことを認識しているという。
黄信号が赤信号に変わるのを防げるかどうかは政府の今後の対策にかかっている。六日に大統領府で開かれた対策会議では、いわゆる「阻止工作」は一切やめ、すべての疑惑を解明するため手を尽くすよう、大統領自身が求めたという。政府の汚職調査阻止工作が、かえって大統領のイメージ悪化につながっているというのがその理由だ。阻止工作は、前政権時代に野党だった労働者党が与党を激しく批判していたこととも矛盾する。
一方、政治の不安定化を懸念するネーヴェス・ミナス・ジェライス州知事(ブラジル社会民主党=PSDB)は七日、ラジオ番組で「ルーラ大統領はコロル大統領ではなく、尊敬に値する経歴を持っている」と述べ、ルーラ大統領を擁護した。
同知事はPT政権に政治のプロとしての意識が欠けるとしながらも、今回の政治危機をこれ以上拡大させるのは国益に反すると述べた。また、ルーラ大統領はまだ国民の信頼を受けており、議会の責任で徹底した調査を行うことしか、大統領に進む道は残されていないと加えた。
同日、ジョビン最高裁長官も今回の政治危機で議会の審議がストップしてはならないと発言。国会活動の停滞への懸念を明らかにした。